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「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(182) 甲越 川中島血戦 9

2024年08月27日 08時28分50秒 | 甲越軍記
両軍の先鋒、死を顧みず 戦うほどに 双方の 手負い 死人 その数を知らず 
中にも 武田方に 塩尻 五郎左衛門 の 弟 塩尻豊後 無双の勇士也
直江山城守の勢の中に 一文字に切りかかり 当たるを幸いに打ち回る
直江の兵 これを取り囲み 四方から 打ちかかるが 塩尻は これをことともせず 大太刀を 振り回し 近寄る武者 四、五人を切り倒す なおも進んで 戦うところに 景虎の旗本、 鬼小島弥太郎、 日の丸の 差し物 は使い番にて 差し掛かったところへ  暴れまわる塩尻を見て 槍をしごき 「小島弥太郎」と名乗り、 塩尻に突いてかかる 
塩尻豊後、大いに叫び打ちかかってくる その切っ先を 丁と受け止め 槍先に火花を散らせ 打ち合うが 弥太郎の勢いが増し 塩尻豊後 受け損じて 眉間を ぐさりと 突き抜かれ 真っ逆さまに 馬より落ちたところに 弥太郎の 従者が 首を取る、弥太郎は なお 敵中に馳いる
直江の勇士 大井大九郎は 先より 敵の中に入り込み 薙刀をひらめかせ 小山田勢を 麻を薙ぐがごとく なぎ回る、 小山田 左京衛の 家臣 相川左衛門 槍を上げて突き来るを大九郎は二打ち、三打ち戦い 一声 叫ぶと左衛門 喉をすくい上げられ ひるむところを大九郎 付け入って 切り倒し 首をかかんとするところへ 小山田小七郎 馳きたり 大九郎の冑の隙を つき通して首を取る 
その他 両家の 勇将 猛将 互いに 命を軽んじて 必死となって 戦う 

越後勢の 直江と 柿崎の 勢いは凄まじく 武田側の小山田勢は勇士が 次々と 討たれ 崩れて2町ほど さっと引く それを見て武田方の 須田 淡路 室賀 井上ら 信濃先方衆が 攻め太鼓を打ち 馬印を立てて 長尾勢の 正面へ 鉄砲を 打ち掛け 喚き叫んで ついて入る 
直江 柿崎 新発田 安田 甘粕 和田 らは 味方を救い 須田 室賀の 備えに突いてかかれば 武田方の 栗原左兵衛 繰り出し いつ 終わるともなき 形成 なり
武田晴信 長尾景虎の 両大将は本陣にあって床几に腰掛け 馬を傍らに引かせ 采配を握り合戦の様を 眺める
晴信の元へ 山本勘助 やってきて 「敵は 魚鱗に備えて無二の一戦を 仕掛けてくると見えます 我が陣の備え 堅ければ これを嫌い 謀り事をもって 逃げるように見せかけ、 追いかける我が軍を誘い込み こっぱみじんに 打ち砕く策略と見えます、 すでに その兆しあり わが軍は 敵陣 深く入り込もうとしております
急ぎ 使者を使わし 我が兵をとどまらせる御下知を」 と言えば、晴信も「まさに我も さように思うところなり」と ムカデの 差し物の 使い番 12人を先陣に 走らせた。


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