こんにちは、国立市議会福祉保険委員会委員長の石井伸之です。
本日は午後1時30分より一橋大学兼松講堂にて「国立市第五回認知症の日」のイベントに参加しました。
冷たい雨の中、青柳地域を走るくにっこミニで矢川まで出て、そこから立川バスに乗り継ぎ、一橋大学へ向かいます。
会場である一橋大学兼松講堂に到着すると、既に多くの方が来られています。
開場時間である午後1時30分になると、主催者挨拶の後に、佐藤市長が挨拶をされました。
佐藤市長からは、ソーシャルインクルージョン(全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う)の精神を元に、認知症となった方が当たり前に暮らすことのできる国立市を目指すと、力強く訴えていました。
続いて、各グループの取り組みについての発表、国立市立第三小学校合唱団による合唱、認知症当事者とサポーターの方々による懐かしのメロディーの合唱が行われます。
認知症当事者の合唱では、傍から見ると到底認知症とは思えません。
80歳、90歳という年齢から考えると、ごく当たり前の老化現象と感じます。
生き生きと東京音頭や贈る言葉を歌っている姿は、非常に楽しそうです。
次に、福祉保険委員会で11月に視察する大牟田市より大谷るみ子さんが来られ、大牟田市の取り組みについて話されました。
大牟田市は、炭坑節で有名な三池炭鉱のあった、炭坑の町として発展しました。
人口12万弱に対して、高齢者は4万人を超え、高齢化率は34.4%となっています。
そこで、大牟田市は「炭鉱の町から認知症支援の町」に向けて、平成13年より取り組まれたそうです。
『やがては誰もが通る道であれば、その道が豊かな道であるように』という想いが根底に流れているという話は、国立市でも引き継ぎたいと感じました。
また、大事なことは当事者同士が話し合う場所の確保だそうです。
どうしても、家族の中で当事者というのは『何もできない、何もさせられない』と扱われています。
そうすると、更に認知症が進行すると共に、当事者の想いも理解されません。
家族が離れて、認知症同士の中に入ると、家庭では無口な当事者が、饒舌かつ楽しそうに話す姿に驚くそうです。
それと、大牟田市では「徘徊」という言葉を使わない様にしてほしいという当事者の声がありました。
当事者は決して「徘徊」しているのではなく、目的を持って移動しているそうです。
写真は認知症の方に対する声掛け訓練の様子です。
20分程度のほんの「さわり」程度でしたが、大牟田市の素晴らしい取り組みが見え、11月の福祉保険委員会視察が楽しみにです。
続いて、レビー小体型の認知症を発症した樋口直美さんからは、実体験を元にした当事者の立場としての苦悩や努力を話していただきました。
レビー小体型による認知症は、認知症全体の20%を占めます。
レビー小体型認知症について調べてみると、以下のようにありました。
レビー小体とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質です。レビー小体型認知症では、レビー小体が脳の大脳皮質(人がものを考える時の中枢的な役割を持っている場所)や、脳幹(呼吸や血液の循環に携わる人が生きる上で重要な場所)にたくさん集まってしまいます。レビー小体がたくさん集まっている場所では、神経細胞が壊れて減少している為、神経を上手く伝えられなくなり、認知症の症状が起こります。
症状の特徴は以下の通りです。
認知症というと、物忘れが激しいというイメージを持っている人が多いですが、レビー小体型では、初期の段階で物忘れよりも、本格的な幻視が見られる場合が多くなります。幻視は、「虫や蛇などが部屋にいる」、「知らない人がいる」、「遠くにいるはずの子供が帰ってきている」などと訴え、いるという場所に向かって、話しかけている事もあります。
樋口さんは41歳の時点で体の不調を訴え病院に駆け込みます。
そこでの診断結果は「うつ病」・・・・・。
「うつ病」との誤診により、6年もの間、薬との辛い副作用に悩まされたそうです。
話によるとレビー小体型認知症は、薬の影響を受け易くなり、僅かな市販薬でも効きすぎてしまい、目まいや体の不調を引き起こします。
ようやく、レビー小体型認知症と診断された後、驚いたことに医師より何らの解決策も示されず、絶望の淵に立たされます。
そこで樋口さんの取った行動は「とにかく同じ病状に苦しむ方と話がしたい」の一点に尽きるそうです。
確かに、幻聴や幻覚といったレビー小体型認知症の症状は同じ病気となった方にしか分かりません。
現在は適切な治療の甲斐あって、症状は落ち着いているそうですが、昨日、一昨日、先月、一年前といった時間軸的な思考が出来ないそうです。
また、自律神経の失調、味覚の変調などはあるものの、それ以外は健常者と何ら変わることなく、普通の暮らしをしています。
当事者の話というのは、実体験が伴っていることから、心に響きます。
本当に素晴らしい話を聞かせていただきました。
そう考えると、一番の問題は認知症というものが社会に認知されず、無理解の状態にあることを解消せねばならないと感じました。
認知症と言っても、軽度から重度まで、何十年を掛けて進行するものや若年性認知症という40代で発症するものまで千差万別です。
ただ、認知症と診断されたからと言って、早期診断、早期絶望に当事者を追い込むのは愚の骨頂ではないでしょうか?
認知症と診断されても、いつもの暮らしがある訳ですから、出来ることを精一杯努力する中で、出来ないことについてはサポートするようにすべきと感じました。
誰もが認知症になっても安心して地域で暮らすことのできる社会を目指して、議会や委員会の場で訴えて行きたいと考えています。
最後に新田先生より「今回は多くの市議会議員も来られている」とのことから、また来年のイベントにも参加したいと思います。
国立市医師会会長より、特定健診についてのPRがありました。
本日は午後1時30分より一橋大学兼松講堂にて「国立市第五回認知症の日」のイベントに参加しました。
冷たい雨の中、青柳地域を走るくにっこミニで矢川まで出て、そこから立川バスに乗り継ぎ、一橋大学へ向かいます。
会場である一橋大学兼松講堂に到着すると、既に多くの方が来られています。
開場時間である午後1時30分になると、主催者挨拶の後に、佐藤市長が挨拶をされました。
佐藤市長からは、ソーシャルインクルージョン(全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う)の精神を元に、認知症となった方が当たり前に暮らすことのできる国立市を目指すと、力強く訴えていました。
続いて、各グループの取り組みについての発表、国立市立第三小学校合唱団による合唱、認知症当事者とサポーターの方々による懐かしのメロディーの合唱が行われます。
認知症当事者の合唱では、傍から見ると到底認知症とは思えません。
80歳、90歳という年齢から考えると、ごく当たり前の老化現象と感じます。
生き生きと東京音頭や贈る言葉を歌っている姿は、非常に楽しそうです。
次に、福祉保険委員会で11月に視察する大牟田市より大谷るみ子さんが来られ、大牟田市の取り組みについて話されました。
大牟田市は、炭坑節で有名な三池炭鉱のあった、炭坑の町として発展しました。
人口12万弱に対して、高齢者は4万人を超え、高齢化率は34.4%となっています。
そこで、大牟田市は「炭鉱の町から認知症支援の町」に向けて、平成13年より取り組まれたそうです。
『やがては誰もが通る道であれば、その道が豊かな道であるように』という想いが根底に流れているという話は、国立市でも引き継ぎたいと感じました。
また、大事なことは当事者同士が話し合う場所の確保だそうです。
どうしても、家族の中で当事者というのは『何もできない、何もさせられない』と扱われています。
そうすると、更に認知症が進行すると共に、当事者の想いも理解されません。
家族が離れて、認知症同士の中に入ると、家庭では無口な当事者が、饒舌かつ楽しそうに話す姿に驚くそうです。
それと、大牟田市では「徘徊」という言葉を使わない様にしてほしいという当事者の声がありました。
当事者は決して「徘徊」しているのではなく、目的を持って移動しているそうです。
写真は認知症の方に対する声掛け訓練の様子です。
20分程度のほんの「さわり」程度でしたが、大牟田市の素晴らしい取り組みが見え、11月の福祉保険委員会視察が楽しみにです。
続いて、レビー小体型の認知症を発症した樋口直美さんからは、実体験を元にした当事者の立場としての苦悩や努力を話していただきました。
レビー小体型による認知症は、認知症全体の20%を占めます。
レビー小体型認知症について調べてみると、以下のようにありました。
レビー小体とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質です。レビー小体型認知症では、レビー小体が脳の大脳皮質(人がものを考える時の中枢的な役割を持っている場所)や、脳幹(呼吸や血液の循環に携わる人が生きる上で重要な場所)にたくさん集まってしまいます。レビー小体がたくさん集まっている場所では、神経細胞が壊れて減少している為、神経を上手く伝えられなくなり、認知症の症状が起こります。
症状の特徴は以下の通りです。
認知症というと、物忘れが激しいというイメージを持っている人が多いですが、レビー小体型では、初期の段階で物忘れよりも、本格的な幻視が見られる場合が多くなります。幻視は、「虫や蛇などが部屋にいる」、「知らない人がいる」、「遠くにいるはずの子供が帰ってきている」などと訴え、いるという場所に向かって、話しかけている事もあります。
樋口さんは41歳の時点で体の不調を訴え病院に駆け込みます。
そこでの診断結果は「うつ病」・・・・・。
「うつ病」との誤診により、6年もの間、薬との辛い副作用に悩まされたそうです。
話によるとレビー小体型認知症は、薬の影響を受け易くなり、僅かな市販薬でも効きすぎてしまい、目まいや体の不調を引き起こします。
ようやく、レビー小体型認知症と診断された後、驚いたことに医師より何らの解決策も示されず、絶望の淵に立たされます。
そこで樋口さんの取った行動は「とにかく同じ病状に苦しむ方と話がしたい」の一点に尽きるそうです。
確かに、幻聴や幻覚といったレビー小体型認知症の症状は同じ病気となった方にしか分かりません。
現在は適切な治療の甲斐あって、症状は落ち着いているそうですが、昨日、一昨日、先月、一年前といった時間軸的な思考が出来ないそうです。
また、自律神経の失調、味覚の変調などはあるものの、それ以外は健常者と何ら変わることなく、普通の暮らしをしています。
当事者の話というのは、実体験が伴っていることから、心に響きます。
本当に素晴らしい話を聞かせていただきました。
そう考えると、一番の問題は認知症というものが社会に認知されず、無理解の状態にあることを解消せねばならないと感じました。
認知症と言っても、軽度から重度まで、何十年を掛けて進行するものや若年性認知症という40代で発症するものまで千差万別です。
ただ、認知症と診断されたからと言って、早期診断、早期絶望に当事者を追い込むのは愚の骨頂ではないでしょうか?
認知症と診断されても、いつもの暮らしがある訳ですから、出来ることを精一杯努力する中で、出来ないことについてはサポートするようにすべきと感じました。
誰もが認知症になっても安心して地域で暮らすことのできる社会を目指して、議会や委員会の場で訴えて行きたいと考えています。
最後に新田先生より「今回は多くの市議会議員も来られている」とのことから、また来年のイベントにも参加したいと思います。
国立市医師会会長より、特定健診についてのPRがありました。