〇池袋マルイ 7階イベントスペース 『アニメ「ガンバの冒険」45周年展~ねずみ年だよ!しっぽをたてろー!~』(2020年6月12日~7月5日)
ぼんやりネットを眺めていたら、想像もしていなかった情報を見つけて驚いた。1975年(昭和50年)に放送されたアニメ作品『ガンバの冒険』の45周年記念展が(ねずみ年にあわせて?!)開催されているという。45年前、私はアニメ好きの中学生だった。アニメなら何でもいいというわけではなかったけれど、この作品にはドハマりした。詳しくは、同展公式サイトの説明に譲るが、原作は斎藤惇夫の『冒険者たち~ガンバと十五匹の仲間』(1972年刊)である。私はアニメとの出会いが先で、それから原作を読んだ。
公式サイトいわく、「言わば名作児童文学作品だが、チーフディレクター出崎統によって、他社の名作路線とは一線を画する味わいの仕上がりになっている。/出崎監督は以後『家なき子』(77年)『宝島』(78年)と児童名作作品を続けざまに手掛けるが、3作品共通して描かれるのは少年の旅と成長であり、演出も硬派、スピーディ、スリリングなものだった。『ガンバ』はその第一作に位置する作品である」。
この文章は、展示会場の冒頭のパネルにも掲示されていたが、読みながら、同志!と呼びかけたくなるような親近感と連帯感を感じた。私もかつて多感な十代を、出崎統(1943-2011、この作品での名義は「さき・まくら」)のアニメ作品に魅了され続けたのである。
会場には、貴重なセル画、当時の設定資料など。美術の小林七郎(1932-)さん、大好きだったああ! 全26話のストーリー紹介に加え、ちょうど会場に最終回のビデオが流れていて、クライマックスの10分くらいを呆然と見入ってしまった。多数のマンガ家やクリエーターさんによるコラボイラストも展示されていた。青木俊直さんやさべあのまさん、中川いさみさんなど、私と同世代の方々が多くて、当時、同じ作品を見ていたのかなあと思うと、感慨深かった。
会場には、もっと若い世代のお客さんの姿もあった。原作者の斎藤惇夫さんが、『冒険者たち』が親から子供へ50年近く読み継がれていること、それにはアニメの力も大きかったことを喜ばしく語っているパネルもあって嬉しかった。
やっぱりアニメでも何でも、長く愛される作品はいい。そういう作品に、若いうちに出会えるのは幸せなことだと思う。