連休は大津に行ってきた。
目的のひとつは、3つの美術館・博物館の連携企画『神仏います近江』展を見るため。もうひとつは、年初に柏井壽さんの『京都 冬のぬくもり』を読んだときから考えていた大津祭の参観である。
8日(土)の宿は、ぬかりなく大津市内に取った。しかし、夕方、JR大津駅に到着してみると、いちおう祭りのパンフレットを配ってはいるものの、駅周辺は特に変わった様子がない。祇園祭まではいかなくても、川越祭程度には、賑わっているかと思ったのに…。
それでも18時を過ぎると、街の中心部から、お囃子が聞こえ始めた。提灯に誘われて、京町通りに入っていくと、まず最初の曳山に出会う。月宮殿山である。
曳山は、だいたい2階屋と同じくらいの高さ。宵宮では、まだ舞台にからくり人形は据えられておらず、囃し方が乗り込んで、お囃子を披露する。鉦(かね)は小学生くらいの男の子たちで、横笛は、もう少し年上のお兄さんが担当。女性はいない。
ぞろりとした着物を羽織って、身体をゆすりながら演奏する様子は、ジャズバンドみたいに自由奔放で、カッコいい。また、山ごとにお囃子が、はっきり異なるのも面白い。大津祭は「見に行く」と同時に「聴きに行く」ものと言われる所以である。
↓源氏山。大津らしく、石山寺ゆかりの紫式部のからくり人形が乗り込む。宵山では、町の民家に飾られて、通りをそぞろ歩きながら眺めることができる。写真撮影も可。
↓孔明祈水山。手前の武将は趙雲とのこと。
↓月宮殿山の見送り幕(曳山の後ろに掛ける)。重文指定の16世紀ゴブラン織り(の複製品)である。祇園祭の鶏鉾や函谷鉾にも用いられていて、それらを見たときのレポートはこちら。上部の掛具(?)に使われている日月星のモチーフにも注目。
↓西行桜狸山が伝える狸面。大津祭は、慶長年間に「鍛冶屋町の塩売治兵衛が狸の面をかぶって踊ったのは始まり」と伝える。この狸面を展示する住宅は「鰻の寝床」式の奥深い町家だった。
曳山は13基。狭いエリアに集まっているので、全てまわっても1時間ほどで済んでしまうが、耳にも目にも楽しかった。祇園祭のような全国レベルのお祭りではないので、人出もほどほどで、進みたい方向に進めなくなったり、無粋な交通整理のマイク声で、祭りの雰囲気を壊されることがないのは、大変よろしい。暗い町中を、ゆるキャラのちま吉が、フツーに人込みにまぎれて散歩していたのにも笑ってしまった。
それにしても、祭りエリアの一本外側の通りに出ると、歩いている人もいないし、足元が見えないくらい道が暗いのだから、ヘンな街である。この日は、やはり東京から出てきて大津泊まりの友人と駅前の居酒屋で夕食。大津って、夜になると飲んだり食べたりするお店のない町だとずっと思っていたが、悪くないお店だった。
目的のひとつは、3つの美術館・博物館の連携企画『神仏います近江』展を見るため。もうひとつは、年初に柏井壽さんの『京都 冬のぬくもり』を読んだときから考えていた大津祭の参観である。
8日(土)の宿は、ぬかりなく大津市内に取った。しかし、夕方、JR大津駅に到着してみると、いちおう祭りのパンフレットを配ってはいるものの、駅周辺は特に変わった様子がない。祇園祭まではいかなくても、川越祭程度には、賑わっているかと思ったのに…。
それでも18時を過ぎると、街の中心部から、お囃子が聞こえ始めた。提灯に誘われて、京町通りに入っていくと、まず最初の曳山に出会う。月宮殿山である。
曳山は、だいたい2階屋と同じくらいの高さ。宵宮では、まだ舞台にからくり人形は据えられておらず、囃し方が乗り込んで、お囃子を披露する。鉦(かね)は小学生くらいの男の子たちで、横笛は、もう少し年上のお兄さんが担当。女性はいない。
ぞろりとした着物を羽織って、身体をゆすりながら演奏する様子は、ジャズバンドみたいに自由奔放で、カッコいい。また、山ごとにお囃子が、はっきり異なるのも面白い。大津祭は「見に行く」と同時に「聴きに行く」ものと言われる所以である。
↓源氏山。大津らしく、石山寺ゆかりの紫式部のからくり人形が乗り込む。宵山では、町の民家に飾られて、通りをそぞろ歩きながら眺めることができる。写真撮影も可。
↓孔明祈水山。手前の武将は趙雲とのこと。
↓月宮殿山の見送り幕(曳山の後ろに掛ける)。重文指定の16世紀ゴブラン織り(の複製品)である。祇園祭の鶏鉾や函谷鉾にも用いられていて、それらを見たときのレポートはこちら。上部の掛具(?)に使われている日月星のモチーフにも注目。
↓西行桜狸山が伝える狸面。大津祭は、慶長年間に「鍛冶屋町の塩売治兵衛が狸の面をかぶって踊ったのは始まり」と伝える。この狸面を展示する住宅は「鰻の寝床」式の奥深い町家だった。
曳山は13基。狭いエリアに集まっているので、全てまわっても1時間ほどで済んでしまうが、耳にも目にも楽しかった。祇園祭のような全国レベルのお祭りではないので、人出もほどほどで、進みたい方向に進めなくなったり、無粋な交通整理のマイク声で、祭りの雰囲気を壊されることがないのは、大変よろしい。暗い町中を、ゆるキャラのちま吉が、フツーに人込みにまぎれて散歩していたのにも笑ってしまった。
それにしても、祭りエリアの一本外側の通りに出ると、歩いている人もいないし、足元が見えないくらい道が暗いのだから、ヘンな街である。この日は、やはり東京から出てきて大津泊まりの友人と駅前の居酒屋で夕食。大津って、夜になると飲んだり食べたりするお店のない町だとずっと思っていたが、悪くないお店だった。