火防(ひぶせ)の神様
『秋葉山本宮秋葉神社』
の“火まつり”に合わせて参拝をして来ました。
こちらの神社は、東海随一の霊山との呼び声も高い秋葉山
(あきはさん)を神体山と仰ぎ、創建は和銅 2年(709年)と伝えられております。
中世には
「秋葉大権現」
と称して、その御神徳は国中に知れ渡り、朝廷からは正一位(しょういちい)の神階を賜り、著名な武将からも数多くの名刀が寄進されました。
更に江戸時代には全国に秋葉講が結成され、街道は参詣者で賑わい、今なお古式の祭儀がそのまま営まれ、全国津々浦々より崇敬されております。
「秋葉の火まつり」
は、毎年 12月 15日~16日の両日にわたって執り行われます。
火防(ひぶせ)の神の本宮と仰がれる秋葉神社の大祭のクライマックスである 16日の深夜
(22時~)に、社伝の秘法を以て
『弓の舞』・
『剣の舞』・
『火の舞』の三舞を奉奏して斎行されます。
私達は本宮秋葉神社に 21時に到着。 冷え込みは予想外に厳しく、防寒万全の態勢で出発。 とても月の
綺麗な夜でした。 この日は秋葉山の秋葉寺(しゅうようじ)で 21時から、22時からは本宮秋葉神社の 2か所で
「火まつり」
大祭が同日に開催されました。
まずは開催時間が早く、今日の宿坊でもある秋葉寺へ向かいました。 神社から秋葉
杉の中の真っ暗な参道の下りが 20分ほどかかり、21時 25分到着。 既に大護摩供養は終了し、火渡りの儀式
に入っていました。
火渡り儀式を見学後は宿坊に入り、荷物を部屋に置き、カメラ
とライト
を持ち 22時から始まる秋葉神社への坂道を、寒い中必死に
登りました。
古代、人類の祖先は生活に欠かせない火の利用を発見し、雄大な神秘の火を最も神聖なものとして、火の御祭を尊びました。
寒い冬の季節を耐え忍ぶ人々は、一日も早く野山に草木
の芽吹くのを待ち望んで火を焚き、その力によって、うららかな春
の日差しを迎えようと神の祭りが行われます。
こうして古くから行われてきた
秋葉の火まつり
は、第
に火災焼亡の危急を免れ、第
に洪水波没の難を免れ、第
に諸厄諸病の難を免れ給うと、多くの人々の願いをこめて、三名の神職によってそれぞれの弓の舞・剣の舞・火の舞の三舞が、各々秘伝をもって演じられます。
最初の
『弓の舞』
は、弓を左手に鈴を右手にとって、静かな舞から次第に激しい舞に移り、舞の後は 5本の矢を東西南北に向けて次々に放ちます。
この当たり方によって、来年の豊年吉凶を占うのだそうです。
次の
『剣の舞』
は、左手に剣を右手に鈴をもち、地上の精霊をなだめ、悪魔を抑える舞を舞い、左右に二振りの剣をとって振りかざし、罪・穢れを切り祓う舞いとのことです。
最後の
『火の舞』
は、ご本殿の奥に奉安されている万年の御神燈から火を移した松明が、神職により神楽殿に運ばれ、
その松明を受け取った神職が高く低く振りかざしながら、人々の火難・水難・諸厄諸病を祓いやる祈りを込めて、
あかあかと燃え
盛る
火の舞
に参拝者の皆さん寒さを忘れ見入っていました。