滋賀県と岐阜県の県境に位置する標高1377m(滋賀県では最高峰)の自然豊かで、花の宝庫ともいわれる
『伊吹山』
を歩いて
来ました。 日本百名山の一つでもあり、高山植物には「伊吹山固有種」も多く、貴重な自然の宝庫となっています。
歴史的にも、古くは古事記や日本書紀に登場したり、日本武尊や松尾芭蕉のゆかりある山でもあります。 昭和 2年 2月 14日に観測された、11.82mの積雪は世界記録とのことであります。
また、伊吹山は堂々とした山塊で日本のほぼ中央部にあたり、植生は北方系植物が南下してきたり、日本海側分布の植物も生育しています。
さらに典型的な石灰岩地帯ということや冬期寒冷な季節風
の影響を受けて、好石灰植物や美しい
お花畑が見られたり、古い山なので独自に進化した固有種が存在しており、国の天然記念物に指定されています。
伊吹山に入山の際には、植生保護のための入山協力金 300円(H29.5.8現在)が必要です。
名神高速道路の関ヶ原ICを 8時 05分に降り、伊吹山ドライブウェイ(全長 17Km)の終点、山頂のスカイテラス
駐車場(標高1260m)に 8時 55分到着。
広い駐車場で準備
運動後、9時05分
出発。
この山の山頂は広く、山頂に時期の花々を楽しみながら歩ける三つの登山コース(
西登山道コース、
中央登山道コース、
東登山道コース)があり、欲張りな私達は十分に時間をかけて西登山道コースから大回りして東登山道コースを
歩きました。
快晴で薫風の中、小さな花を探しながら歩くのは楽しいものです。
1人の人が「〇〇ソウが綺麗
」何て声を上げると、皆さんが駆け寄り「ワッ
本当だ。」・「色が良いね。
」などと皆さん嬉しそうでした。
薄ピンクの可愛らしいイワウチワ
駐車場より北西斜面にある西登山道コースに向かいました。 ここは道幅が広く、歩き易い登山道です。
伊吹山は平安時代に日本の「七高山」の一つに数えられました。 9世紀の中ごろには、山中に伊吹山寺が建てられ、のちに発展して
弥高寺(やたかじ)・
太平寺・
観音寺・
長尾寺の伊吹山四ヶ寺となり、伊吹山信仰の拠点になりました。
伊吹の神
は、英雄 日本武尊(やまとたけるのみこと)を退け、死に至らしめる
「荒ぶる神」
として『古事記』に登場します。 武尊は
荒ぶる神
を鎮めるために素手で伊吹山に来ました。
山中で神の化身「白猪」と出会い、これを神の使いとみた武尊は挑発的な言葉を吐きます。怒った伊吹山の神は、武尊を打ち惑わせ、この傷がもとで亡くなってしまいます。
『日本書紀』では
「大蛇」
が伊吹山の神の化身です。
猪や大蛇は、古来 みのりをもたらす神とされ、伊吹山の神は、山麓の田畑を潤す「水の神」だそうです。
また、伊吹山は古くから薬草の山として知られ、自生する植物約 1,300種のうちおよそ280種が薬用植物とのことです。
かつて山麓の人々は薬草に親しんで生活し、採取して出荷し、栽培に取り組んできました。 特にオオヨモギを原料とする
「伊吹もぐさ」
は古代以来の医薬品だそうです。
西登山道コースから山頂を踏んで、お花や景色を楽しんだ後は、下り専用の東登山道コースに進みました。10時。
このコースは、道幅が狭く人がすれ違いしにくい箇所が多いため、下り専用となっています。 また、この山
特有の石灰岩が露出しているので足元に注意しながら歩を
進めました。
山頂を 1周して出発したスカイテラス駐車場へ 10時 35分に戻り、次に歩く北尾根コースへの取次点である静馬が原に車
移動し、10時 50分北尾根に
取り付いた。
こちらの尾根には色鮮やかな花々
が次々と咲きはじめ、草木
萌え、多くの花たちが春を告げる最高のコースとのことで皆さんで頑張りました。 花好きの皆さんには堪えられないコースです。
御座峰から大禿山へと峰々のアップダウンを繰り返し、日当たりの良い尾根を歩きました。
この北尾根登山道というのは、滋賀県と岐阜県の県境になっており東草野地域(滋賀県)と美濃国(岐阜県)の村々は、いくつかの峠道で結ばれていました。
県境最後のピーク国見岳を一気に下ると、国見峠に到着、16時 05分。
この国見峠は近江から美濃へ抜ける主要な峠道でした。 この峠道は、職人や行商の行き来がたえず、仔牛
を近江や関西から美濃へ移入した道であり、美濃の繭を吉槻で中継し、長浜へ運ぶ道であり、姉川沿いで収穫されたコウゾ(クワ科の落葉低木:製紙の原料)を美濃で和紙にし、再び鳥居本(彦根市北部)などへ納めた
紙の道でもあったとのことです。