日本三大雪渓(白馬・剱沢・針ノ木)の一つに数えられる針ノ木雪渓を登る。 白馬大雪渓より狭く、稜線近くまでせり上がる雪渓は圧巻であります。
正面に扇沢バスターミナルを見た左端に、百瀬慎太郎ゆかりの山にふさわしく『山を想えば人恋し、人を想えば山恋し』と記された案内板が立てられている。
その案内板に引かれ、針ノ木岳登山口の標識に従って緑豊かな樹林帯に進む。
コースの途中までは針ノ木自然歩道として整備されており、数回扇沢と黒四ダムを結ぶ電気バスが走る車道を横切り、徐々に高度を上げて行く。
静かな樹林帯から見事なブナ林へと登り、鳴沢と赤沢の2つの沢を横切り、大沢小屋を目指す。
苔むした枝沢を登り、見上げた樹間から針ノ木雪渓が望めた。
扇沢から2時間弱で大沢小屋に到着した。
この小屋は針ノ木岳に生涯を捧げた百瀬慎太郎を偲び、小屋の横には慎太郎の言葉を刻んだレリーフが備えられています。
大沢小屋からはダケカンバの灌木に囲まれた道を登り、ほぼ 40分ほどで雪渓が近くなる。
例年7月初旬頃までは大沢小屋を出て 30分ほどで雪渓の取付き点に着くのだが、この時は好天続きで雪渓が徐々に融けて後退していたため、夏道を歩くことになった。
夏道を登るとオオバギボウシやニッコウキスゲが迎えてくれた。
大沢小屋から約1時間で雪渓取付き点に着いた。 振り返ると中央のピーク『爺ヶ岳(標高 2670m)』がひときわ高く眺められた。
雪渓は白馬大雪渓に比べると痩せて詰めの辺りは斜度がきついので、歩き慣れない人は軽アイゼンを付けた方が疲れず安心して登れます。 右手にベンガラでルートが付けられているので、それに従って登る。
雪渓の中間地点に両岸から岩が迫った狭い『ノド』と呼ばれる所を通過、雪渓が消えた季節はクサリ場のある左岸を高巻きして進む。
右側からマヤクボ沢が合流するが、雪渓が多いと間違って迷い込み易いので注意。左に進む。
雪渓の三分の二(ノドを越えた辺り)を過ぎた辺りから急傾斜となり、遅れ出した方のザックを持ち、様子を伺いながら声掛けしていたので、写真を撮ってる場合ではなく必死でした。
そんな経緯 (その間の写真がありません。)があり、針ノ木峠到着です。
針ノ木雪渓を登り切ると、目の前に針ノ木小屋が現れた。やった~と感じた瞬間でした。
針ノ木小屋は針ノ木峠のそばに立つ小屋なのです。
峠で写真を撮る私の後ろには蓮華岳(標高 2799m)が聳え、山頂付近一面にコマクサが咲いていました。ずっとずっと守り続けたい山であります。
※ ご覧頂き、ありがとうございます。