令和元年(2019)に権兵衛峠から経ヶ岳(標高 2296m)への登山ルートが復活し、この時期には『ササユリ』 が見られるとのことで出掛けてみました。
権兵衛峠は、今も昔も中央アルプスに隔てられた伊那谷と木曽谷を結ぶ重要な道であります。
2006年に権兵衛トンネルが開通し、現在は伊那 ⇔ 木曽間を片道 20分程度で行き来できるようになりました。 トンネル開通前は旧国道 361号線が峠を越え、それ以前は未舗装の街道を人馬が行き来していました。
権兵衛峠に続く尾根は、太平洋と日本海を分ける中央分水界となっており、『分水嶺』 の石碑が建っています。
右 ➡ 天竜川水系の北沢川(太平洋側へ) : 左 ➡ 信濃川水系の奈良井川(日本海側へ)
権兵衛峠駐車場に6時半、到着。15分で準備を済ませ6時45分、 出発。
駐車場の直ぐ北側に権兵衛峠登山口があります。
登り始めから花々がお出迎えをしてくれ、急な登りであったが花を見ながらノンビリ歩いた。 左 ➡ ヤマオダマキ、右 ➡ ノアザミ
7時17分、物資運搬用のモノレール軌道が見え、横にホタルブクロが咲いていた。
綺麗なピンクのシモツケ。
7時35分、標高 1807m 携帯基地局のアンテナピークを通過。
ラン科の多年草である(左)ジガバチソウや一寸見難いですが、やはりラン科の(右)オオヤマサギソウ。
7時50分、「まっくん岩」と表示された場所を通過。
樹林帯の中で目立つ色をした担子菌類の(左)ホウキタケやイチヤクソウ科の多年草で腐生植物の(右)ギンリョウソウが纏まって見られた。
8時 20分過ぎくらいから樹林帯を抜け、登山道の周りが 「お花畑」 の様に綺麗になって来た。
見晴らしの良い尾根上に出ると雲海に浮かぶ南アルプスが見えた。
広い草原の様な尾根の登山道脇には長い紫色の花穂をなびかせるクガイソウ。
8時半、経ヶ岳迄のほぼ中間点に当たる標高 1969mの『北沢山』に着いた。 奥に見えるどっしりした山体が経ヶ岳であります。
北沢山山頂から西方向に、北アルプスから離れ孤高を保つ日本の名峰《御嶽山》がくっきりと望めた。
御嶽山(標高 3067m)は富士山と共に我が国でただ二つの三千mを超す独立峰だといえます。