北陸方面の天気予報も怪しい天気であったが、昨日室堂から入山。 大日尾根では大粒の雨に会い、また合羽や回りの木々、岩に当たって飛び跳ねる雹にも遭遇した。 おまけに頭上では雷鳴が響き渡り、一瞬どうなる事かと不安がよぎった。
一夜明けたら、雨は収まり、昨日は夕方にしか見えなかった剱岳(2,999m)も今日は朝から顔を見せてくれた。 前日、終日合羽を着て雷鳥平から新室堂乗越までアイゼンを着用し雪渓の登高で体力的、精神的にも非常に疲れの様子が皆さんに見えた。
大日小屋の朝食は5時半。 その前の4時に起床し、昨日行けなかった大日岳(2,501m)へアイゼンとカメラだけ持ち目指した。
回りの景色もスッキリ見えたり、一瞬にガスで消されてしまったりの繰り返しであったが、富山湾の方は明るく見えた。 大日岳は小屋の北西側で出発4時35分、2つの雪渓を越えて4時55分に山頂に立った。 山頂には岩で守られた大日如来座像が祀られ山岳信仰の山を物語っていた。
山頂からの景色は、ガスの動きが無く、ほとんど展望は得られなかった。
5時15分小屋に戻り、順次食堂へ向かった。 大日小屋は収容人員36名と言う小さな小屋で、我がパーティー23名がいたので、食堂も、ほぼ満杯状態であった。 昨日の夕食を疲労と体調不良で食べられなかった方も、今朝は完食されていたので安心した。
大日小屋出発、6時20分。小屋前で準備運動。 朝方の外気温は12℃前後と寒く、皆さん合羽を着用されていたが、自分はTシャツにアームウォーマーを付け歩いた。 天気は回復傾向にあり、天狗平や室堂への車道が確認できた。
道は大日尾根から南西方向にカール状の窪地を下り、薄日も差して来たので蒸し暑く参った。
水場を通過後、いく度も九十九折りに小さな沢を横切り、やがて広大なチシマザサの高原にのびる木道に出た。8時30分。
昨日の雨で木道は濡れ非常に滑り易い、不用意に出す1歩が危なく、小刻みに体重を足の裏全体に掛け慎重に歩くよう声掛けしたが、何人かは大した事なく、こけていた。
これは笑い事で無く、大日平山荘手前の木道脇で無線交信をされている方を見かけ、5人の中の1人が足首を固定していた。木道で滑ったようである。
大日平山荘到着、8時55分。 トイレ休憩を含め大休止を取った。天気は夏晴れである。 9時8分ヘリの音が聞こえた。山荘の上を旋回し負傷者のいる木道上部でホバリング、負傷者を収容後、富山市街へ飛び去った。
山荘にお礼の挨拶をして9時半出発。道は西方向に綺麗に整備された木道を進む。弥陀ヶ原・大日平の標示板通過、9時35分。
この辺りから大日岳を振り返ると下って来た斜面が綺麗にカール状になっているのが確認できる。 木道が終わると牛ノ首尾根(10時40分通過)の急降下が始まる。
雨の影響で岩、木の根、石、土の全てが滑り易くなっており、両側が切れ落ちたヤセ尾根の下りが続く。 ハシゴやロープが整備されてはいるが、初めて経験される方もおり、ゆっくり慎重に下って頂いた。
ザクロ谷と別れ、称名川への急傾斜を下り、猿ガ馬場の標示板が有る小広場を11時通過。その後は樹林帯の中をジグザグに下降し、
大日岳登山道入口に11時50分着。
ここは称名滝見学の一般の方々の往来もある道路である。 バスは右の駐車場で待機しているが、私達も称名滝を見に左手に進んだ。 水量の多い時のみに現れるというハンノキ滝が先に目に入った。
進むにつれ湿った冷風を感じ、12時落差日本一(350m)を誇る大迫力の『称名滝』が見えた。
雪解け水が豪快に落ち、滝壺は水煙の中である。 この水が立山の美味しいお米を育むなど、富山県民の生活を潤す水資源になっているとの事です。 25分ほど見学し、12時45分バスに戻った。
バスは直ぐに立山吉峰温泉に向かい、汗流しと昼食を済ませ14時50分帰途に着いた。
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