何年かぶりで奥胎内ダムの工事現場を見学してきた(写真上)。ダム本体のコンクリート打設をしていたが、まだまだその姿はハッキリと確認することはできない。平成30年完成予定だとか。http://www.pref.niigata.lg.jp/shibata_seibi/okutainai_dam.html
「ダムはいらない!」などとは言わないが、「100年に一度の洪水から守る!」というキャッチフレーズはどうなのだろうか?自然の猛威は予測できないことは確かだが、あまりにも脅しじみているのではないか?
貴重な自然公園内に、コンクリート重量式のダムとなれば何百トンのコンクリートが注ぎ込まれれる。ダムを何年鎮座させることになるのかは分からないが、350億円もの巨費が投じられ、何千年、何万年もの間に作り上げられた自然や動植物の住み家を脅かす。それこそ大きな爪あとを残すことにはならなければいいのだが。
多目的ダムということで、発電や水道水の供給にも使われるとのことであるが、沢登りメッカである「浦島の廊下」の水没は避けてもらいたい。資料では、通常時、作四郎沢の出会い付近までがボーダーラインのようで。
批判するつもりはないのだが、見学後のアンケートには「登山者が安全に上流部に行ける配慮を!」と書き込んだ。沢登りや渓流釣りを楽しむ人は、ヒュッテ対岸から尾根を越えて、楢の木沢へ遠巻きをする。危険プラス3時間以上のロスだ。
この場所に立つと、上流の貴重なゴルジュ群に思いを馳せ、複雑な気持ちになるのは私だけだろうか。(2008年8月27日の記事参照)