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何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

国内最大級の揚水発電所「奥清津発電所」を訪問

2021年10月15日 | 土木構造物・土木遺産


さて、またまたダムと発電施設の紹介。今回は県内でも随一の発電規模を誇る「奥清津発電所」。実は、この揚水式の発電設備は、国内最大級のもの。「最大級」とは、実は関西電力の奥多々良木発電所(兵庫県)に次ぐ、第二位の発電量となるためだ。
上下の写真は、揚水式発電の下池にあたる「二居ダム」とその調整池。上池は、カッサダムと田代調整池というが、田代高原にある県内でも最も標高が高く、なかなかたどり着くには難儀な場所。田代ロープウェーがまだ紅葉営業を開始する前の訪問だったため、今回は下池とダム、発電所の紹介ということになる。(田代湖、カッサダムには、また必ず行きますから!)



二居ダムは清津川にあって、高さ87メートル、堤頂長280メートルのロックフィルダム。カッサダムは、清津川の支流であるカッサ川にあって、高さ90メートル、堤頂長487メートルで、やはりロックフィル式のダムだ。
この二つの調整池の落差470メートルを活用し、奥清津発電所・第二清津発電所の6台の発電機を回し、合計160万キロワットを発電することができる。運転開始は昭和53年。ダムも発電所も、電源開発(J-POWER)の設備である。
新潟県でも、一番奥(群馬県境)の発電所ということになるが、みつまた、かぐら、田代、苗場と各スキー場が周辺にあって、ゴンドラやロープウェーが整備されている。スキーヤーやハイカーの方が、ダムや発電施設を何気に見ているかもしれない。



火力発電所や原子力発電所に匹敵する出力を要する国内最大級の揚水式の水力発電所が新潟にある。これは誇るべきことで、ぜひ子どもたちにこのことを伝えていきたいものだ。
これまでに紹介してきた、信濃川発電所や、三国川ダム、いずれ紹介することになる奥只見ダム・発電所(阿賀野川水系)など、魚沼地方には奥深い山の中に人々の生活を支えるダムや発電設備が数多くある。そこで生まれた電力は、多くは首都圏のために送電されている。
巨大土木構造物としてだけでなく、人々の生活を支えるために、新潟県という土地柄を活用し発電設備があること、それがどういう仕組みで発電され送電されているか?学習素材に事欠かない奥清津発電所なのである。

えっ?学習する場所があるの?そう、ここ奥清津発電所には「電力ミュージアム」なるものが併設されていて、子どもたちの学習の場所になっているんです。次回、紹介します!

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