
「テリー ギリアムのドン・キホーテ」 ジョナサン プライム監督
スペイン、ベルギー、仏、英、ポルトガル合作 ☓
鬼才とも奇才ともいわれるギリアム監督が製作に紆余曲折があり30年かけやっと完成した作品です。
若手CM監督のトビー(アダム ドライバー)はスペインの田舎で撮影をしていましたが、いまひとつ気が乗らずプロデューサーやスポンサー、スタッフたちも気をもんでいました。そんな折、不思議な男からトビーが学生時代に制作した映画のビデオを渡されます。それを観たトビーは撮影を放り出してその村にでかけます。ところが、そこでは、トビーが一般人を俳優に仕立てたため10年経って大変なことが起きていました。主人公の「ドン・キホーテ」役に起用した靴職人ハビエル(ジョナサン プライス)は今でも自分が騎士だと思いこんでいて突然現れたトビーを従者サンチョと勘違いし、あれよあれよと二人の奇妙な冒険の旅が始まるのでした。
スペインの美しい自然と、古くからのお祭りの行列、そして衣装が凝りに凝った仮装パーティなどがちょっとメチャクチャな物語を盛り上げています。
わがままなスポンサーと資金集めに必死な製作会社とそれに振り回される制作現場でのさまざまなやりとりが勉強になります。そんなことはお構いなしの純粋なドン・キホーテの姿が今では一服の清涼剤となりました。
仮装パーティで「衣装は用意してある」と着替えたトビーは予想通りスターウォーズっぽい黒い衣装でちょっと笑えました。
タバコは、スポンサーでパーティの主催者ロシアのウォッカ王が葉巻を吸っていました。(☓)