資格マニアの徒然草ブログ

目標としていた70歳で五百資格、2年前倒しで達成しました、これからはジャンルに関係なく、徒然なるままに書いていきます。

中国の皇帝の本質

2018年05月04日 | 地理・歴史系資格とその活用
なぜ中国は民主化したくてもできないのか 「皇帝政治」の本質を知れば現代中国の核心がわかる
クリエーター情報なし
KADOKAWA

 中国百科検定2級を受験して、もっと中国を勉強したいと思っていたら、出会った本である。最近売れているらしい。執筆は石平氏、中国から日本に帰化した方である。この本なかなか面白い。最近の習近平の動きがよくわかる。内容の解説と私の感想をちょっと書こう。

 中国は秦の始皇帝からラストエンペラーの清の溥儀まで皇帝の時代が続いた。それ以前も中国には歴史があり、夏や殷、周、春秋戦国時代などだ。どっちの時代もほぼ同じ約2千年間だ。皇帝のいない時代は、王がいて各地方を治めていた。いわゆる封建時代だ。封建制というと、日本の江戸時代のような感じで、イメージが悪いが、決して悪いことばかりではなかった。

 皇帝の時代、中国は統一され、皇帝の命令で全国民を治める。この時代になると、皇帝が悪政を敷くと、たちまち全国の国民が迷惑し、そのうち全国規模で反乱が起きる。この点、封建制では、地方ごとに王が異なるから、全国規模にならない。その国の王を倒せば終わりだ。全国規模の反乱は、国内全土が戦争状態になる。中国の人々は、この内乱を何度も経験していて、こちらの方がより恐ろしいため、皇帝に善政を期待するようになる。すなわち、善政の皇帝を待望するようになっているそうだ。

 現代史の皇帝と言えば、毛沢東と鄧小平だ。毛沢東は、中国共産党が独立した立役者、鄧小平は、改革開放の立役者、どっちも功績は大きい。しかし、習近平はたいした功績はないのに、任期をなくして終身の皇帝になるのに、中国国内では大した反対がない。これは、前述の皇帝待望論が根拠だそうだ。うむ、そういえばかなり納得する。

 そして、皇帝は何をするか、歴史が証明している。中華思想の実現だ。中華思想とは漢民族が世界で一番優れていて、周辺の蛮族は、これに従うべき、貢ものを持って朝貢すべきという思想だ。朝鮮などは2千年もの間、この朝貢国だった。今もそれに近いがね。最近では、当沢東は、共産党独立後間もない時期、新疆ウイグル侵攻、チベット侵攻、ベトナムへの侵攻、朝鮮戦争への参戦と、この中華思想の通り動いていた。国民が期待していて、皇帝は国民にそれを証明しないといけない。しかし、鄧小平は違っていて、中国に力のない時期は、爪を研いでおいて、力がついたら外へ打て出るという意味のことを言っていた。

 そして習近平、国民に中華思想の証明をする。「偉大なる中国の復興、中国の夢の実現」だ。このため、一帯一路を実現しようとしている。またスリランカに軍港を作ったりしている。南シナ海に要塞を作っって南シナ海の覇権を狙っている。尖閣に進出して、沖縄を狙ったりしている。最近の動きは、石平氏の描いたとおりになっている。

 石平氏、この先は書いていないが、私が推測する。習近平は、中国に近い朝鮮はもとより、日本を中国の属国にして、朝貢させる国家にすることを狙っているようだ。江戸時代は、沖縄は日本と清国、両方に仕えていた。日本は琉球処分をして日本に組み入れた。習近平は、この沖縄を奪回をするだろう。沖縄から米軍は出ていけ、という活動をしている人もいるが、すると習近平にとっては絶好のチャンスだ。

 少なくとも自分が生きているうちは、こんな日本にならないことを祈る。この中国の考え、できるだけ多くの日本人に知ってもらいたいと思う。また、自分でできだけのことは協力したいと思っている近頃である。

コメント
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