「大よその山は、三角形であったり屋根形であったりしても、左右に稜線を引いて山の体裁を作っているものだが、両神山は異風である。・・」深田久弥、日本百名山、両神山の一説より。
連休の最終日、その両神山に登った。集合は西武秩父駅9時。日本百名山をめざす会というツアーだ。参加者の風体は皆ベテランに見える。こんなベテランのツアーに私なんか、入って大丈夫か、心配しながらバスに揺られて、登山口へ。ここで標高は8百㍍。山頂は17百㍍だから、約9百㍍の登りだ。この日は登山口にバス6台が入っていて、狭い山頂はどうなることやら。
この山は登山口がいくつもあるが、今回の登山口は白井差、ここは個人の私有地、入場料を払って入るそうだ。その分ほかの登山口より、山頂までは近い。近いといっても3時間登る。有料だけあって、登山道はよく整備されている。最初は河原を遡る。川の木道を何回も渡る。5月は森林も萌えていて、気持ちがいい。
そしていよいよ急登。百名山の会だけあって、メンバーでへこたれる人はいない。私が一番きついかな。ツアーについていけるか心配しながら登る。途中3回ほど休憩を入れる、時間の関係で昼食タイムはないため、休憩時におにぎりを食べる。何とか棄権しないで登れそうな気持ちになってきた。
ようやく、コルに到着。16百㍍だ。荷物を置いて、貴重品だけを持って山頂へ。山頂近くはアカヤシオが咲いている。山頂直下は、クサリ場だが、大したことはない。やっと、山頂に到着、山頂は狭い。我々の団体が早く着いたせいか、山頂はほとんど人がいない、富士山や南アルプス、八ケ岳が展望できる。集合写真を撮って、個人写真を撮る。下から団体が登ってきた。さあ、降りよう。
下りは約2時間。同じ格好で下るため、膝に来る。登山口に降り、バスで道の駅へ。ここで小休止して西武秩父駅へ。18時ちょっと前だ。ツアーの添乗員さんから記録帳と登山証明書をもらう。また両神山の登山バッジを戴く。有料の分のお返しか。この日は、累積標高差9百メートル、使ったカロリーが2,700kcal、たっぷりと補給して帰宅した。