kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

練習の話

2015-05-17 | 陸上競技
全く練習について書いていないので少しだけ。

新しい環境での練習を始めて約一ヶ月半。まだまだ伝えられない事がたくさんあります。記事にも書きましたが少しずつ練習道具をそろえていって練習の幅を広げていきたいと思っています。それが最大の仕事。そして基礎的技術と筋力アップを地道にやっています。他の指導者の指導スタイルがどのようなものか分かりません。が、私は選手に付いて動きの指導をひたすらやるもいうモノです。メニューを与えてそれをやらせるスタイルは私にはできません。目の前で動きを見ながら指導していく。細かいところを指摘しながらズレを直していく。そんな形ですね。

一律の指導にはならないと思います。それぞれの選手で動きの課題は違います。今は選手の取り組みの姿勢やこちらが感じるモノを中心に指導しています。競技に気持ちが向かない者に対しては多少冷たい対応になっている可能性はあります。わざわざここに書く必要はないのかもしれませんが、意欲のある選手に対してこちらは丁寧に対応する必要があると思います。「やろうとしていてできない」のと「とりあえずやってできない」事は全く違うと思います。何とかしてできるようにしようという選手、やれと言われてやる選手では全く違うのです。それはあくまで私の主観かもしれません。本当はやろうとしているがこちらにそれが伝わらないだけなのかもしれない。難しいですがその部分は明らかに分かると思っています。

一ヶ月半、取り組みが明らかに変わった選手もいます。これまで細かい技術指導に飢えていたというか、もう少し強くなりたいなと思っていたけどその方法が分からないという選手もいたのだと思います。メニューは決まっていたと思いますが、細かい部分はどうしてもできていなかったのではないかと思います。そこを「何故やるのか?」「どう必要なのか?」を徹底的に指導しています。これだけで大きな差となります。「才能」という言葉があります。何もしなくても走れる選手というのはいます。そんな事はないと言われるかもしれませんが、実際問題あるのです。今うちにいる選手は何もしないでも速いという選手たちではありません。ここはしっかりと認識しているつもりです。何とかして強くなるという感じが必要になります。

うちの選手と話をしていました。「中学の時には何も意識しないで走るだけだった」と言っていました。それでもある程度力があれば走ります。こんな書き方をしたら批判されるかもしれませんし、苦情の書き込みがあるかもしれません。が、あえて書くと「ほとんどの中学生はそれほど考えて走っていない」のです。発達段階にある中学生が「重心の移動」とか「膝の引き出し」なんて事を考えながら走る事はないと思います。失礼かとしれませんが。細かい事をやるよりはザックリ練習をしていく中で力が出せるのが中学時代だと思います。いや、もちろん細かい事を考えながら、走っている中学生もいるかもしれないのですが。大半の中学生は「走るだけ」である程度強くなります。もちろん中学校の指導者の方々はそこを理解して「結果的に意図する動きをさせる」という工夫をされていると思います。選手自身が細かい事を考えなくても、練習方法の工夫の中で自然と動きをつくるようにされている。

が、高校ではそうはいきません。男子は身体が筋肉質になっていく。女子は少しずつ女性の体型になっていく。その中で「とりあえず走っておけば良い」という感じにはならないと思います。だからこそ私は選手一人一人とコミュニケーションを取るようにしています。そしてやる事の意味をきちんと考えさせる。理解させるというのがすごく大切だと思っています。もちろん今の段階ではやるだけで精一杯になるので理解という段階まで達していないかもしれません。が、それでも意味を繰り返し指導していく必要があると考えています。特に女子に関してはこちらが細かい配慮をしながらやっていかないとダメだと思っています。

そう思いながら指導をしてきました。少しずつ走れるようになってきています。もちろん、いきなり中国大会争いをするレベルには達しません。それでも確実に少しずつ走れるようになっている手応えはあります。これは楽しい。もちろん、私が楽しいというのもありますがやっている選手もそれなりに楽しさを感じられるようになってきているのではないかと思います。筋力をつけながら技術的な改革ができると確実に走れるようになるのです。中学時代の実績云々ではなく少しずつ走れるようになります。

何人かはかなり意識レベルが高くなってきています。テスト週間であっても各自て散歩をしたり、補強をする。選手によっては朝散歩をして夕方も散歩する。これが気分転換となりまた勉強に取り組む。少しずつ良い傾向になってきていると思います。これは強豪校と言われるチームであっても簡単にできるものではないと思っています。私の指導は「心」や「取り組む姿勢」を最優先しています。ここが出来れば選手は自分達で取り組むようになります。私の最大の仕事は「キッカケを与える」事です。そこが出来ればこちらが話す内容がきちんと選手に入っていきます。やはり、素直な選手は強くなるのです。そこに向けて何をするかが大切なんだと考えています。関わる中で見えてくるものがあるのです。

ある選手、身体作りをしっかりとするように話しました。食事について指導し、良質なたんぱく質の摂取をについて話をしました。昨日話をしていると「最近納豆を食べるようにしています」との事。すごいなと思っていたら「元々納豆、苦手でこれまでほとんど食べた事がない。でも、身体作りのために必要だと思ったので積極的に食べるようにしている」と話してくれました。いや、すごい事だと思いませんか?これだけ純粋に話を聞いて行動を変えてくれる選手がいるのです。繰り返しになりますが、素直な選手は強くなるのです。逆に斜に構えているような選手は伸びる可能性は低い。これまでの経験から言っても間違いなく相関関係があります。

少しずつですがチームとして機能し始めた感じがあります。もちろん、まだまだ足りない事の方が多い。だからこそ伸び代があるのだと思います。少しずつ少しずつです。

長くなりました。親しい指導者からblogが長すぎて読む気にならないと指摘されました(笑)。構わず押し切ります(笑)。
コメント
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