中小企業診断士の間で「商店街支援」は人気のある領域のようです。商店街研究会の活動は活発ですし、協会が毎年公募する支援担当者には多数の応募があるようです。とっつきやすいイメージがあるのでしょうか。しかし、成果を出すのはなかなか難しいと感じています。
私も独立してすぐの頃、協会募集の支援担当者に応募し、運よく選ばれ、大田区のある商店街の支援をさせていただくことになりました。それから何だかんだ支援は4年目に入っています。
「中心企業診断士」と言ったって「何それ?」って感じですから、当初仲間として受け入れていただくまで、ある程度の時間が必要でした。個別に店を訪問したり、盆踊りの手伝いに出向いたりして顔を売ったものです。
「マンネリ化を打破したい」そういう要望がありました。「じゃあ、何か新しいことを始めましょう!」皆さんからアイデアを引き出し、また自分からもいろいろ提案をしました。そうして、地元在住の落語家出演の寄席、一店逸品、店主の顔が見えるチラシなど、新しいことにチャレンジし実現していきました。
大田区からはとても高く評価していただき、昨年はかなりの額の補助金を得て、キャラクター作りに挑戦しました。地域の住民にデザインを公募したところ、下は小学生から上は80歳のご婦人まで、幅広い層から応募をいただきました。仕上げはプロのデザイナーに頼んで新キャラクター「カノンちゃん」が誕生しました。大田区長もとても喜んで、よく「カノンちゃん」の話を方々でしてくれているみたいです。
このように話題づくりに心がけてきたものの、商店街の人通りは増えたのか?というと「うーん」という状況。結局魅力的な店が集まっていなければ厳しいのです。
これからは、地主さんや不動産会社と連係して、空き店舗対策(新店誘致)に注力していきます。既存店の後継者がいない以上、このままだと店が減っていくのは目に見えています。今までの努力をむだにしないためにも、もうひとふんばり、というところです。
富岡 淳