事務局の佐々木です。こんにちは。いよいよ2025年が始まりましたね。今年は巳年なので、一皮むけるチャレンジをしようと考えている方も多いと思います。チャレンジする人には必ず「失敗を恐れずに!」という言葉がついてきます。成功するためにはチャレンジが不可欠なので、失敗を恐れていたら何も始まりません。稼プロ!の講義のように、積極的に失敗を奨励する場もあります。でも、「理屈は理解できるけど、失敗は嫌だ」という人は結構いませんか?
「失敗が嫌だ」の理由として私が最もよく聞くのは、「だって評価が下がるでしょ」という声です。失敗を奨励しながら、実際に失敗すると減点される。安定している事業では失点をしない方が相対的に好評価を得やすいので、堅実にこれまで通りやるインセンティブが働きます。
「自分の首を絞める」という声もよく聞きます。チャレンジしてもサポートがない。通常の業務と共に忙殺され、心身ともに追い込まれる。チャレンジしたけど成果を出せず苦しんだだけというケースです。
「失敗して周りに迷惑をかけたくない」と思う人もいるようです。失敗することによって同僚の業務に支障をきたしたり、リカバリーに専念するために自分の業務を代行してもらったりする可能性があります。自分の失敗が周囲の負荷になることを懸念するケースです。
私の管理職の経験のなかで、これらの不安に有効だった対処方法があります。
①「だって評価が下がるでしょ」
こう思う人には、当然ながらチャレンジすれば評価が上がると思わせる動機づけが必要です。診断士の試験勉強で学んだビクター・ブルームの期待理論が参考になります。「成果への道筋が明確化されていることを前提として、成果達成後に魅力的な報酬が得られることの確信があれば、人間は能動的に努力を行う」という理論です。ここで大事なのは目標設定です。「頑張れば達成できる」と思える程度の難易度で、本人のキャリア志向と親和性が強いとより効果的です。
②「自分の首を絞める」
この不安には、管理職からのリソースのサポートが不可欠です。既存業務を削って時間を創出する(新しいことをやる時は何かをやめるの鉄則を実施)、関連する研修や通信教育等を受講させる、いつでも相談に乗る(アドバイスはするけど直接手助けはしない)、繁忙期の負荷調整をする、などのサポートです。特に部下の時間をしっかり確保することが重要で、管理職が関連部門や上層部からの不要不急な要請を断ち切ってあげることが有効です。
③「失敗して周りに迷惑をかけたくない」
この懸念は、組織の全員が挑戦していると弱まるようです。各メンバーがそれぞれ挑戦する目標を設定し、定期的に進捗を共有することで、自律的に助け合う文化が醸成されます。助け合うことが当たり前になることで、自分だけが助けてもらうという負い目が弱まります。
失敗を恐れず挑戦するためには、上記のような動機づけ・リソース付与・環境整備が有効だと思います。「人間はその潜在能力の5-7%ぐらいしか活用していない」と言う学者もいるようですが、確かにもっと挑戦すれば大きな成果を出せるのでは?と思う人が周囲にたくさんいます。マネジメントの工夫でより多くのポテンシャルを引き出していきたいです。