あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

イーストウッド監督の硫黄島2本

2016-09-14 10:09:59 | Weblog


闇にまぎれて cyojin cine-archives vol.1068&1069


○クリント・イーストウッド監督の「父親たちの硫黄島」をみて

硫黄島の決戦を真正面から描いた映画かと思ったら、そうではなく擂鉢山に例の星条旗を立てた6人の兵士の物語の映画化であった。

6名の海兵隊員のうち3名は戦死したのだが、この写真の出来栄えがあまりにも感動的で愛国主義を高揚させるしろものであったために、悪賢い偉いさんが目をつけ、この3名を戦時国債の販売促進の目玉にしようと思いついたために、彼らは猿回しの猿のように全米をかけずり回る羽目になる。

それは再び戦地で死に瀕するよりは安全な仕事であったが、このような不純な動機から始まった彼等の人生、とりわけ実際にはこの写真に映ってはいなかった兵士のそれに大きな影響を与えることになる。

無名の兵士が一夜にして有名人となり、英雄に祭り上げられ、思いがけない人生を歩まざるを得なくなる不条理をクリント・イーストウッドは不器用に描いている。


○クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」をみて

今度は日本側からの視点で撮られたというが脚本が問題。
「硫黄島からの手紙」という題名であるにもかかわらず、あまり手紙のウエイトは高くないし、かといって作戦や戦闘本位の展開でもないので中途半端な展開になる。

ほんのわずかな水を彼らがどのように大切に使用したか、地下要塞の全容や陸海軍の対立、司令官の命令違反の実態などについてもっと掘り下げてもらいたかった。
西大佐の最期は、あれが本当なのだろうか?

栗林陸軍中将を渡辺謙が熱演。


    歯が痛い歯が歯が痛い歯が痛い歯が歯が痛いとっても痛い 蝶人

コメント
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