あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

2018年版「誰もが泣いて喜ぶ冠婚葬祭その他諸々スピーチ集」第24回

2018-02-26 10:51:56 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.286



○新社屋落成式/取引先のあいさつ



平素は大変お世話になっております。
本日はKDS様新社屋の披露会へのご招待にあずかりましてまことにありがとうございます。私は御社への人材派遣を担当させていただいておりますキャリア社の筒井と申します。

*1さて、最近アメリカの景気後退がうんぬんされておりますが、外資系パソコン大手でありますKDS様の躍進を拝見しておりますと、勝組み企業を支える市場先見性に感銘を受けずにはいられません。

国内主要ITメーカーがリストラに走り、競合外資系メーカーが日本撤退を余儀なくされるなかで、なぜ御社ひとりが破竹の進撃を続けておられるのか。

*2その秘密は、パソコン本体というハードより情報システムのサービスというソフトを選択された慧眼にあると私はにらんでおります。

御社がこの度の新社屋完成をきっかけにさらに大きく世界のKDSとして飛躍されますようお祈りすると共に、

*3及ばずながら弊社もソフトを担う最優秀の人材をご提供させていただきながら御社を全力でバックアップいたしたいと考えておりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。



○アドバイス
*1 単なる社屋完成祝いの美辞麗句に留まらず、業界を取り巻く環境を客観的に分析するなかで自他のポジショニングを確認しようとするスピーチ。
*2 停滞気味のIT企業のなかで健闘する有力メーカーの優位性の本質を的確に分析している。
*3 どういうポイントで貢献できるのかを明快に言い切った。



「ああもう人世に疲れたなあ」「今から30分オペレーターを増員してお待ちしてます」
蝶人
コメント
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