あまでうす日記

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関川夏央著「人間晩年図鑑2000-03」を読んで

2022-01-12 09:45:50 | Weblog

照る日曇る日第1694回

 

 

山田風太郎の「人間臨終図鑑」に触発されたらしいこのシリーズは、物故した世界中の様々な人物に寄り添ってその生涯と最期について縦横無人に語るという面白い企画である。

 

本巻では、2000年に亡くなった仙波龍英、梶山清六、青江三奈、吉田清治、大貫久男、01年に死んだ並木路子、田山幸憲、山田風太郎、モハメド・アタ、古今亭志ん朝、張学良、左幸子、02年のビリー・ワイルダー、トール・ヘイエルダール、柳家小さん、矢田澄子、ナンシー関、岡田正康、03年の尹学準、安原顕、天本英世、加藤大治郎、チャールズ・ブロンソン、ネルソン吉村大志郎を扱っているが、なかんずく「スーパーエデイター」で自称天才の安原顕の巻が面白かった。

 

売れない時代の村上春樹をあれだけ応援しながら、ある日突然手のひらを返し、あまつさえ彼の手書き原稿を神保町で売り払っていたとはいったいどういう料簡の男だったんだろう。

 

 「30年後には日本はこうなる」という議論だが私は死んでる 蝶人

 

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