音楽千夜一夜第489回
セルの録音の大半は旧コロンビア盤であるが、このワーナー盤に収められているのは旧EMIなどその他のレーベルに録れた14枚のCDである。
ギレリス独奏によるベートーヴェンの協奏曲全集や、シュワルツコップ独唱によるR.シュトラウスの「4つの最後の歌」などは既に定評のある名演であるが、1930年代のフーベルマン独奏に拠るベートーヴェンの協奏曲、シュナーベルとのブラームスのピアノ教祖曲も素晴らしい。
年寄りの私はますます保守的かつ権威主義的になってきたので、今どきの若い世代の演奏よりも、往年のこうした名演奏に惹かれるのである。
オミクロンで外出規制が出る前に民草こぞりて鎌倉に来る 蝶人