あまでうす日記

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中部博著「プカプカ 西岡恭蔵伝」を読んで

2022-01-18 11:27:23 | Weblog

照る日曇る日第1698回

 

1999年4月3日、50歳の若さで自裁したシンガーソング・ライ、西岡恭蔵の伝記である。

彼の代表作「プカプカ」はつぎのような歌詞のうただが、多くのターミュジシャンによってカバーされた名曲である。

 

 俺のあん娘はタバコが好きで

いつもプカプカプカ

体に悪いからやめなと言っても

いつもプカプカプカ

遠い空から降ってくるって言う

幸せってやつがあたいにわかるまで

あたいタバコやめないわ

プカプカプカプカプカ

 

以上は1番だが1場のタバコが2番ではスウィング、3番で男、4番ではうらないに代えられ。1番のプカプカが2番ではドゥビドゥビドゥビドゥビ、3番ではHuHuHu、4番ではトランプ スタスタスタとなる。いっけん内容本位と見えた歌詞が極めて技巧的な形式によって支えられていることが分かる。

 

だからこの曲のエッセンスとは、他ならぬ「プアプカ」という浮遊的な擬態語の魅力に尽きるのである。

 

そんな歌手の魅力に取りつかれた著者は、その波乱に満ちた生涯を舐めるように追体験し、その称揚に努めて感動的である。

 

    南海のトンガ火山の爆発に逗子の海水田越川に入る 蝶人

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