蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第406回
○父親の白寿を祝う長男のスピーチ
お父さん、めでたく白寿を迎えられたこと、本当に本当にうれしく思います。
と申しますのも、*1お母さんの話によると、お父さんは昔から体が弱く、「病気のデパート」といわれていたそうです。
ざっと数えても、結核や糖尿病や胃ガンや心筋梗塞の発作、あと交通事故が2回と蜂に刺されて入院というのもありました。赤紙がきて戦争に行った時はもっとひどくて、乗った軍艦が撃沈され、重油がヘドロのように漂うフィリピンの海上を3日間漂流した末に救助されて九死に一生を得たとか。*2
ともかく生きているのが不思議なようなお方が、なんと1世紀近くも生存されたということは、もうそれだけでも人間国宝というか、すごいことであると思います。
さらに、もっとすごいのは、うちはお父さんだけじゃなくて今年93歳のお母さんも共に健在であるということ。*2
わがままなお父さんを陰でじっと支えつづけたお母さんにも、ご苦労さま、おめでとう、の言葉を贈りたいと思います。
お父さん、どうかこれからもお体には充分気をつけてお元気でお過ごしください。
○アドバイス
*1家族や親族全員が集まるイベントでは、縁の下の力持ちである配偶者とも喜びをわかち合う精神を大切にしたい。
*2話者が長寿者の場合は、会場の雰囲気が沈みこまないように、明るく楽しいしゃべり方をすること。また白寿の場合は、全員で協力してスピーチはできるだけ短く切り上げたい。
一瞬にしてひとはなぜ人を愛し一瞬にして人を憎むか 蝶人