蝶人物見遊山記第341回7&鎌倉ちょっと不思議な物語第427回
毎年恒例の展覧会だが、久し振りに葛飾北斎の肉筆画をみると不思議な心の安らぎを覚える。「鶴亀図屏風」や「波に燕図」などはお正月らしいめでたさだが、「小雀を狙う山かがし図」はいかにも北斎らしいキッチュな図柄で、あの「北斎漫画」にみられる精確仔細な観察眼がよく発揮された秀作なのである。
余談ながら40年くらい前に家を建てたとき、整地作業に従事する職人が、「おたくの土地にはヤマカガシの巣があるとみえて何匹もゾロゾロでてくるので閉口するよ」とぼやいていたことを思い出した。
そこに掘立小屋同然の狭い我が家が出来たあとも、毎年春になるとヤマカガシの小さいのが何匹も出てきて、それを次男が首に巻き付けて近所の悪童たちとわあわあ、キャアキャア遊ぶのだった。ヤマカガシには毒があると知ったのは随分後になってからだったが、幸いなことに噛まれた子供は一人も居なかった。
なお本展は来る2月13日まで開催中です。
ガンマからオミクロンへと進化する新型コロナに追いつけぬ我ら 蝶人