照る日曇る日第1731回
俳諧について様々な論考を遺した子規だが、この文庫本さえ読めば、あとは朧でも良かったかもしれない、と思わせる好エッセイが並んでいる。
まず冒頭に収録された表題作では、冒頭の原理論はちと煩わしいが、其のあとから展開される俳句修養段階別の各論は、ふんだんに実例を挙げて分かりやすく、これほど惜しみなく蘊蓄を傾けて面白く、いたく為になる俳句ガイダンスは、今もって皆無だろう。
続く「俳人蕪村」は子規が古今最高とレッテルを張った俳人の実作と鑑賞の神髄で、この論文を読まずに蕪村を論ずる人は、モグリと言わざるを得ないでせうね。
知りもせず知らされもせずウクライナへの「特別軍事作戦」を支持する人々 蝶人