あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2022年卯月蝶人映画劇場その4

2022-04-20 17:05:38 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2830~34

 

1)降旗康雄監督の「駅 STATION」

北海道の雪の駅を舞台に倉本聰の脚本で高倉健をはじめ倍賞千恵子、いしだあゆみなど当時のスタアが仰山出るが、所詮は八代亜紀季の演歌のカラオケ映像みたいな1981年の邦画。

 

2)ウィリアム・A・ウェルマン監督の「民衆の敵」

ジェームズ・ギャグニーが悪ガキの頃からチンピラヤクザの大人になっても悪事を積み重ね、ついに短い一生を終えるまでを描く1931年の米犯罪映画。こんな駄作よりPublic Enemyの音楽の方がマシだ。

 

3)ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」

韓国でも進行する貧富の差を鋭く抉る2019年韓国製作の悲喜劇噺で、遠くドストエフスキーの「地下生活者の手記」の流れを汲んだある種の文明批評になっている。いくら富裕者に近づいても、半地下生活者=最低人の地肌に刷り込まれた独特の「臭い」で区別=差別されてしまう、とうくだりが本作の肝だろう。

 

4)天願大介監督の「デンデラ」

浅岡ルリ子、草笛光子、倍賞美津子などが70歳で捨てられた姥に扮し、捨てた村人たちに対する武装蜂起を構想するが、その前に飢えた熊に襲われて全滅するという2011年製作のチャっプい姥捨て映画。

 

5)山田洋次監督の「遥かなる山の呼び声」

高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆が演ずる1980年公開の日本版「シエーン」で、ラストシーンで泣かせるが、撲殺による傷害致死刑が2年から4年で済むのだろうか?

 

  凶暴な犬がロシアで吼えている誰一人諌める者もなく 蝶人

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