トルーマン・カポーティ著・村上春樹訳「遠い声 遠い部屋」を読んで
照る日曇る日 第1950回
カポーティ選手が23歳にしてモノした初の長編小説を、村上春樹の翻訳で読む。
アメリカの田舎に住む17歳の文学趣味の少年が、おのが大脳前頭葉に浮かんだ、さまざまな夢想幻想妄想空想を、幸か不幸か、その想起の途中で放棄せず、最後まで同伴しながら書きつづった膨大な夢物語であり。それ以上でもなければ、以下でもないと、私は思う。
途中でおおいに退屈したが、それでも仕方なく読了したのは、なんせ翻訳者が有名な小説家であるから、だった。
図書館の書架に収まるわが詩集さとう三千魚「浜辺にて」の隣に 蝶人