あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2023年葉月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2023-09-01 11:31:30 | Weblog

 

ある晴れた日に 第713回

 

卯月には掌抑え左目を癒し呉れし人葉月に逝きぬ

 

亡き人を愛した人が写したる遺影見事に故人をあらわす

 

左眼の上の方から覗きこむ眼医者が入れる眼内レンズ

 

マドンなら2刀流は健在だったネビンが壊した大谷無惨 

 

権謀を凝らして利権を奪い取る卑しき男葉山に逝きたり

 

安全で安心な水と思うなら内閣全員挙りて飲み干せ

 

ゴール前でこける選手は気の毒だ当分悔やむ一生悔やむ

 

金ありてコモンセンスのなき男鳩のマークを剣に変える

 

図書館の書架に収まるわが詩集さとう三千魚著「浜辺にて」の隣

 

今日もまた両手で耳に蓋をして玄関飛び出すうちの耕くん

 

ゴダールも龍一も居ない葉月かな

 

わが糞を脱糞を深々と嗅ぐ原爆忌

 

音のみで闇を領する花火かな

 

左眼にはレンズが入り物となる

 

左眼にはレンズが入り葉月尽

 

お隣の葉山の海で鳴る花火音のみで聴くズシリドンドン

 

ドラゴンも薬缶も沸騰している夏にニッポンも世界も沸騰している

 

陳腐だが施主に取りては極上の戸建て粛々と建つ

 

極小といえども施主には極上の戸建て住宅湿地に聳ゆ

 

親であるわいがおらんときどれほどの酷い目に遭わされてきたのか涙ちょちょぎれる

 

ミジンコの大きさ位の孫もいて20人ほどのメダカの家族

 

画眉鳥と台湾リスを抹殺しウグイスとホトトギス鳴け真夏の鎌倉

 

雨が降り槍が降っても脳天気大谷選手が出てればご機嫌

 

我こそは尾籠な1匹の獣なり臍に溜まりし胡麻の臭さよ

 

昼顔がここを先途と咲き誇る轟音立てて迫るトラクタ

 

「レコード芸術よ、永遠なれ!」とソニー・クラシカルが最後の広告

 

ハジケルてふナウな言葉を使う奴すかさずハジキでハジキ出し消してやった

 

アメリカに紐付けられし日本に紐付けられて二重の奴隷

 

泥棒は夜中に仕事をするはずが昼間の銀座で時計を盗む

 

誰一人見向きもしなかった猫の絵がある日突然脚光を浴びる

 

時々は我に返って思い出す真珠湾あっての広島長崎

 

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死んだウクライナ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬまだまだ死ぬぞ

 

死に死んで死に死に死んでまだ死んで死に死に死に死ぬ地獄のミャンマー

 

死に死んで死に死に死んでまだ死んで死に死に死に死ぬ中国香港

 

死に死んで死に死に死んでまだ死んで死に死に死に死ぬ地獄のガザ地区

 

死に死んで死に死に死んでまだ死んで死に死に死に死ぬニッポンチャチャチャ

 

  本日は9月1日なのだから大震災のことなぞ詠まなきゃ 蝶人

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