池田澄子句集「月と書く」を読んで
照る日曇る日 第1954回
俳人味噌糞あまたあるなかで、池田澄子は好きな俳人だ。
私ひとりに過分の曼殊沙華曼殊沙華
野を渡りきて秋風とよばれている
ゴールデン・ウィーク幸福追求権
古典的な形式にとらわれず、詠む句の中にとても生き生きとした人間が躍動しているのが楽しい。
明けましてあぁ唇が荒れている
前髪をやや切りすぎの初鏡
春寒き街を焼くとは人を焼く
個我の靭さが際立ち、それが575の外殻を突き破って宇宙的規模に突出するところも好ましい。
蝶よ川の向こうの蝶は邪魔ですか
人類に地べた儚し揚花火
八月や大空大川しずかに在れ
しかし題名を入れ込んだ「逢いたいと書いてはならぬ月と書く」というのは、いったいどういう意味なのだろう? どなたか不勉強な私に御教示くだされ。
毒水に汚染されたる我が国の魚を喰って中国に勝つ?