あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

夢は第2の人世である 第133回

2024-02-04 09:15:13 | Weblog

 

西暦2023年神無月蝶人酔生夢死夢百夜

 

東大に東大平和会というレコード鑑賞の組織があったはずだが、今はどうなっているのだろう、と思って本郷へ行ってみたが、その形跡はてんで無かった。10/1

 

日曜日に、家族そろって町に出かけようと、電車に乗った。買い物なんかしてから、また電車に乗って、帰宅しようとしたのだが、乗った車両が、ホームからはみ出していたので開かず、そのまま、隣の駅まで運んでいかれたのよ。10/2

 

おらっちは、悪人リストをつくっては、順番に暗殺していった。10/3

 

久し振りにオグロ選手と出会った。彼と会うときは、いつもどこかで御馳走してくれたものだが、今回はそういうことを期待することも、また実際にそういうこともなく別れたのだが、何度も御馳走されたおらっちは、たった一度も彼に御馳走し返したこともなかったのを申し訳なく思った。10/4

 

3、4、5番のナンバーが記された、名建築家の設計による木製の椅子を、超ヒレツな男が、こっそり教会の外に持ち出そうとしているので、隠し持ったワルサ―で消してやった。10/5

 

余の畢生の大詩集が陸続と返品になって、狭い我が家に殺到するので、寝るところもなくなってしまったずら。10/6

 

親分がいつのまにか零落したので、仕方なく150人の食客ともども、今を時めき権勢を誇る第一子分のところに身を寄せているそうだ。10/7

 

こないだタチウオを呉れたお兄ちゃんが表通りを歩いていたので、「やあこんにちは」と挨拶すると、いくら食べても減らない万能御飯を呉れた。10/8

 

その天気占い師の予報は、とてもよく当たると評判なので、試しに手相を見てもらったら、「おらっちがいつどこでどんな風に死んでいくのか」を延々と語り始めたので、怖ろしくなって逃げ出した。10/9

 

この辺りは、英米贔屓の地方かと思っていたのだが、ことごとく独逸、それもナチ贔屓の家ばかりなので、驚いているうちに、村八分に遭ってしまった。10/10

 

ナンシーが、「緑色のコンブ状の異物が漂っている風呂の水をきれいにしてほしい」と再三再四頼んでくるのだが、そのコンブが大好きなおらっちは、その都度断っているのだ。10/11

 

眠っている間に大量の寝汗を出しながら、物凄く怖い夢を見たので、夜中に箪笥の中から取り出した別のパジャマに取り換えたのだが、またしても怖ろしい夢を見そうでこわい。10/12

 

家族みんなで山間の宿に泊っているのだが、とても寒いので、こたつの中に入っていると、いつしか妹と2匹の犬になってしまって、お互いの頭と頭を突き合わせ、もたれあって体を温めあっている。10/13

 

夕方2匹で宿を出て、くらくふ谷を下って町の方へ降りて行くと、四つ角に大きな獅子のように獰猛そうな謎の動物が瀊居していて、ウオオオ、ウオオオと威嚇するので、怖ろしくなって宿まで逃げ帰ったのよ。10/14

 

宿に戻って、また炬燵に入って2匹の犬になってお互いの頭と頭を突き合わせ、もたれあっていると、だんだん温かくなって体中が気持ちよくなってきたのよ。10/15

 

明日3名の死刑囚の刑が執行されるのだが、3人とも短歌の詠み手なので、三者三様の辞世の歌を遺せるよう、獄中歌人指導員のおらっちは、朝からてんてこ舞いの忙しさだ。10/16

 

そのうちの一人は、知る人ぞ知る偉大な歌人なのだが、いったん確定した挽歌を、2度3度と書きなおし、執行寸前におらっちに口伝えた最終改訂版が、全集に収録されることになった。10/17

 

「我が身にフライトあるやも知れず」、というフレーズが脳裏に浮かんできたので、大いにもがいていたら、不意に空中に浮かんでしまった。10/18

 

逝きし春の頭を台座から取り外して、その本体はもとより、汚れたネジや蝶つがいを綺麗な水で丁寧に洗い流すこと。私はその作業を率先して「やります!」と名乗り出たのだが、それが軽い認知症のしるしだとは夢にも思わなかった。10/19

 

年に1、2回だけ東京に出て、芝居か展覧会を見物することがあるのだが、その時昔ながらの上品な良家の奥さんを見て心が動くこともあるが、もう若さも元気もないので、日本画の中の登場人物を眺めるようにして、しばらく遠くから眺めているのよ。10/20

 

これは、女性が妊娠しているか否かが分かるダンスだと誰かがいうたが、いくら見詰めてもさっぱり分らんかったずら。10/21

 

編集長にレイアウトを見せながら、色々相談しようと思っていたら、酔っぱらった編集長の傍に、問題のあるキャメラマンが同席していたために、ちゃんとした打ち合わせができず、ヤバイことになっちまった。10/22

 

巴里の街中で私が迷っていると、親切なモノンクルオジサンが、「これで好きな所へ行けるよ」というて、自転車を貸してくれた。シャトレ座での子ども作文教室が終わったので、「ラインの黄金」を見物しようかとも思うのだが、どっちのオペラ座なのか分らないのだ。10/23

 

私は統一庁から何百万人という大家の治安を維持するように命じられたが、具体的にどうしていいのか分からないので、アオバセセリを捜して野山をほっつき歩いていた。10/24

 

あたしは関西支社ではいつもチヤホヤしてもらっているので京都支局を拠点に関西ネットアークを構築し、すちゃらか大放送を繰り広げようと秘かに構想を巡らせていたのだが、大阪と神戸支局の大反対で脆くもついえさった。10/25

 

わが大全集を、自由が丘まで持参することになったのだが、あの部厚い5冊をどうやって詰め込んだらいいのか考え続けていると、いつの間にか朝になっていた。10/26

 

ドコモが1万円で売り出したので、こっちは9千円で対抗することにしたが、どっちもどっちなので、盛り上がらないずら。10/27

 

エレガントな婦人服を、思いっ切りパンクなイメージで売ったらどうなるだろう、と意欲的な宣伝広告キャンペーンを展開してみたのだが、売上はまったく変わらなかったので、阿呆らしいことをした、と反省したのよ。10/28

 

万事が絶好調で推移しているので、顔の助が、急に自信過剰になって「やいおめえら、よっくこの顔の助の顔を見ておけ。いまおらっちが、オタケビを上げるからな」といって雄叫びを上げた途端に、龍になって空の高みに飛び去った。10/29

 

「クイズの塔」という名ののっぽビルジングが立っていて、例えば3階は人文、4階は地理、5階は人情というふうに、カテゴリー別に分類してあるのよ。10/30

 

    「お父さんが2人もいる!」と叫んでた巽クンちに泊った翌朝 蝶人

 

 

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