照る日曇る日 第2117回
不世出の創造者と行を伴にした著者が振り返った、かのめくるめく疾風怒濤の日々の思い出の数々。
妻と言い、プロデュサーと言っても、結局この人がいなければ寺山修司は寺山修司たり得なかったことがよく分かるし、彼もそのことはよく分かっていたのだろう。
あの頃は、みんな若くて無名で、みんな貧乏だけど、今から思うと到底実現不可能なことが、何故だか次々に可能になった、ある意味では夢のような時代だったのだ。
そんな時代の奇跡の記録としての価値も、この本は、持っていると思う。
考えるときには息が止まるので体に悪いと吉本は言う 蝶人