あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

家族の肖像~親子の対話 その72

2021-06-13 09:27:48 | Weblog

ある晴れた日に第651回


今日はおばあちゃんち行ってえ、図書館行ってえ、西友行ってえ、お弁当買って帰りますお。
分かりましたあ。
今日はサケご飯にして、お母さん。
分かりましたあ。
オシャレって、なに?
すてきな洋服を着て外を歩くことよ。お母さん、オシャレしたいな。
オシャレ、オシャレ、オシャレ。
お母さん、目黒構内って、なに?
目黒の駅の中よ。
引退って、辞めることでしょ?
そうだね。
お父さん、連佛さんのドラマ録画してくださいね。
分かりましたあ。
「バイバイ、さよなら」と言ってくれたよ。
誰が?
サユリさんが。
いつ?
昔。
お父さん、ぼく連佛さんのビデオ見ますよ。
分かりましたあ。
お父さん、連佛さん泣いちゃたよ。
なんで?
分からないけども。
連佛さん、なんで寝ちゃったの?
お酒のんで、よっぱらっちゃったのよ。
またたくって、なに?
キラキラすることよ。
掛け算のカケルは、バツに良く似てるね?
バツ? ああ、そうだね。
お父さん、2つ録画してくれた?
バッチリ録画しましたよ。
お母さん、あした図書館と西友行きます。
リョーカーイ!
ヤマモトリョウコは、旅館で働いてるの?
東京の旅館で働いてるみたいよ。
連絡帳にね、鎌倉郵便局は嫌いです、と書いといてね。
分かりましたあ。
竹中直人さんの斉昭、死んじゃったのね?
そうだね。
お母さん、「今まで普通に渡っていた、鎌倉郵便局の信号が苦手になった!
怖くて渡れなくなった。」そう連絡帳に書いてください。
いつから怖くなったの?
3月から。
信号なんで怖くなったの?
「タッツタッツタ」というようになったからだお。
そうなんだ。知らなかったなあ。
お父さん、「恋はディープに」見ますお。
分かりましたあ。
患うって、なに?
病気になることよ。
ぼくはシュウマイです。
こんにちはシュウマイさん。
ぼくは、「戦うラーメンマン」好きですお。
そうなんだ。
ラーメンマン、ラーメンマン。
ぼくヘチマ好きですお。
そうなんだ。
ヘチマ、ヘチマ、ヘチマ。
お父さん、録画した?
しましたよ。帰ったら一緒に見ようね。
みっともない、恥ずかしいことでしょう?
そうねえ、ちょっと恥ずかしいことかな。
みっともない、みっともない、みっともない。
洗濯物、乾きましたよ。
雨が降ってきたから、こうやって部屋で乾かしておきましょうね。
分かりましたあ。


ワクチンさえ打てば支持率が上がると分かっているのでワクワクワク打ちまくるガス 蝶人
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田村志津枝著「若山牧水さびしかなし」を読んで

2021-06-12 16:45:18 | Weblog

照る日曇る日第1589回


こないだ俵万智の牧水の本を読んで、へえこんな人世だったのか、こんな歌を詠んでいたのかと興味を持ったので、昔むかしに独文の同級生が書いた本書を読んでみた。
なんでも明治43(1910)年の秋、信州小諸の彼女の祖父が開業していた江戸時代から続く「本陣」の任命堂田村病院に、我らが牧水が2か月も滞在していたという。
当時の牧水はかのファム・ファタール、運命の女園田小枝子との絶望的な悲恋に打ちのめされていただけでなく、著者独自の調査によれば、恐ろしい淋病を患っており、その心身両面の疲労困憊を癒すために、当時田村病院で働いていた医師で門下生の岩崎樫郎を頼って、広壮な旧本陣の別室に、隠れるように住んでいたというのである。
いうまでもなく青春時代の大きな主題は、家族英国主義との闘争であり、今も昔も若者は親や故郷を捨てることによって、けなげな自立を果たそうとするが、その自分が親の年齢に達するといつしか郷里を懐かしみ、自分もその末に繋がる、滔々と流れる祖先の血脈の内部に、不変の自らを見出そうとあがくものである。
著者は、かつて一瞬にせよ袖触れ合った偉大な恋愛者、歌人の知られざる足跡をまるでアガサ・クリスティのように執拗に辿りながら、同時に、遠く失われた家族や郷里の思い出という貴重なタピストリーを、一針一針慈しむように丹念に縫いあげていくのであるが、本書を読みながら私は千曲川のほとりをさすらうソルベーグの歌を耳にしたような気がした。


ワクチンの接種後死者は85名医師勧告により打つのは止めた 蝶人
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「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第98回

2021-06-11 13:31:03 | Weblog

西暦2020年師走蝶人酔生夢死幾百夜

高卒で事務職に採用された彼女だったが、みるみる出世して、2年後には代表取締役社長になってしまった。12/1
文化出版局へ行ったらヒサダさんが出てきて、「あなたたちどうしてるの?」と聞くので、「いやあ相変わらずですよ」と答えると、「もっとビシッとやらなきゃだめじゃないの」と叱られた。12/2
敵に包囲された城内にあって、デビット王子は、敵が放つ燃える火球をうまくキャッチしなければ、ただちに爆発して甚大な被害が齎されるので、苦労が絶えないのである。12/3
彼女は、手もとの金を全部まとめて、床下に掘った穴に埋めた。12/4
倒産してまもなく、この世から消え去る会社では、急激に社員が姿を消し、残るは我ら数名だけとなったが、たった1台のパソコンには、全社員の別れの言葉が記されていた。12/5
中国軍船が群れる国境周辺の海域に、丸木舟に乗ってやって来た私は、海にプカプカ浮いて日光浴しながら、とうとう新旧約聖書を全部読んでしまった。12/6
宣伝課と同期入社の忘年会が、同月同日同時間にバッティングしたので、その両方を行ったり来たりしているうちに、終わってしまったので、電車に乗ると、右側には亡くなった今井さんが、反対側にはヨシタケさんが座っているので、もしかするとヨシタケさんもこの世の人ではないのかもしれない、と思った。12/7
全世界を席巻した新型コロナウイルスのせいで、人類の生き残りはたった2人の男女になったのだが、彼らは協力して子供を作ろうとはせず、共に逃れついた北極点で、殺し合いを始めようとしていた。12/8
暫く前から、夜中に小便に起きなくても済む薬を飲んでいるせいか、夢はいつもと同じように激しく見ているにもかかわらず、残念ながら、起きてそれを枕元でメモできなかった。
従って、これは夢日記ではないのよ。12/9
これまでの海戦では、一度も負けたことがない本艦であるが、念のために、このたびの強敵に備えて、鉄人28号を呼び寄せることにした。12/10
誰の影響だか、彼女は、有金を全部賭けるのを止めてから、その女性性の破壊が、いくぶん収まったようなので、周囲の人はほっと一息入れた。12/11
私は、その難儀な試合を上手に操作して、10対9で勝利したのよ。12/12
私は寅さんの監視役を仰せつかったのだが、神出鬼没で、煮ても焼いても喰えないこの風来坊を、抑えることなぞ、出来るわけがなかった。12/13
死にゆく王子は、その前に某国の王女に氷上で長い接吻をして結婚式を挙げ、初夜の睦言をたっぷり楽しんでから、やすらかに死の床に就いた。12/14
3人で決闘することになり、当日の約束の時間に集まったのだが、どういう風に決闘をやるかについての話し合いの結論が出なかったので、「じゃあまたね」と言うて別れた。12/15
パナの展示会で、各ブースごとにお土産を呉れたのだが、それが物凄い荷物になってしまい、とうとう会場からタクシーに乗る破目に陥った。12/16
吉原でさっぱり売れない女たちを集めて、その性豪がメンテを施すと、たちまち男どもの指名が殺到するのだった。12/17
恥ずかしいので、今まで一度もやったことのない、詩の朗読というやつをやってみたが、幸いなことに、誰も聞いていなかったので、大助かりだった。12/18
共同権利者である彼女に、その物件の説明をしている間に、彼女が息を引き取ったので、私が、全権を引き継ぐことになってしまった。12/19
もうその頃には、全国民がコロナに感染していたので、いくらワクチンを飲んでも、後の祭りでした。12/20
イルカに変身した私は、イタリアで観光客を、つま先泳ぎをしながら、案内しているところだ。12/21
ジャスミン革命が大爆発したのは、今から3年前のこと.だったが、たった3年でも、その時代の空気感は、もう2度と戻ってこないことを、嫌でも思わないわけにはいかなかった。12/22
私は、新しい手を次々に作っては、そいつでもって、聖徳太子みたく、百千のハンコを、ビシバシ押してやったんだ。12/23
「あの性悪のセクスイー女にだけは近づくな」と先輩が忠告してくれたにもかかわらず、おらっちは、うかうかと手を出して、ズルズルと深みに嵌っていったのよ。12/24
仕事を終えて、新幹線の1号車の指定席に座っていると、浜名湖付近で、突然巨大ウナギどもが乗り込んできて、「ねえ、一緒に泳ごうよ」と、誘って来るのだった。12/25
私はウチの「サイカンキョウ鉄工所」を活用して、カモラマンのカモちゃんに、いい写真を撮らせようと企んだが、やっぱ無理だったようだ。12/26
この病棟に入ると、ガンで死にゆく人たちの、寛大な精神に打たれるのであった。12/27
バク高乏人そう会チャイ好きしきに私ビューキシャンクル自信ない 12/28
私は、頭の中のイメージ通りにセンター前にヒットを打ったが、一塁にゆうゆうセーフで到達するはずが、焦って左足から滑り込んだために、アウトになってしまった。12/29
海から奇妙なものが出現した、と聞いて、コウジュ君が、「それはきっとスタヴローギンに違いない」と言うたので、わいらあ会社の仕事なんか全部すっぽかして、電車に乗って出かけたが、これって出張手当が出るんかいな。12/30
私はもてん出社 きねんきかく をの工場と本を毎日 日本人かてえれく 12//31

組長を出せない地区も増えてきて町内会に明日はないかも 蝶人
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宮崎駿作「風の谷のナウシカ4」を読んで

2021-06-10 13:32:44 | Weblog

照る日曇る日第1589回

300年前の大海嘯の時、腐海に没した古エフタル王国の末裔は青き衣の者に率いられて土鬼国の森に入ったが、いつの日か復活してマニ族を救うという伝説があった。森の人マニ族もナウシカが属する風の谷のジル族も大国の騒乱の余波を被りながら懸命に生き延びようとしている。弱き者たちは死者たちの精霊によって守られているのだ。
土鬼軍の僧正チャルカは、殺人細菌兵器を製造して戦場でばら撒いたが、新しい有毒瘴気が王蟲たちを混乱に陥れ、さらには超新型変異粘菌体が大増殖して来るべき大海嘯の引き金となるのだった。

いまは亡き巽君の家に泊めてもらいし朝「あ、お父さんが二人いる」 蝶人
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江波杏子の「女賭博師」シリーズ全17作だあ~西暦2021年水無月蝶人邦画劇場

2021-06-09 18:08:53 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2578~87


江波杏子は私が60年代の終わりごろに、明治神宮外苑の代々木口傍のガード下のあばら小屋で住み込みの家庭教師をしていた頃、そのすぐ近くの「大関」という飲み屋の女将をしていたが、そんな彼女の姿を実際に見かけたことはない。
江波杏子はこの「女賭博師シリーズ」を跳躍台として、その後も映画と芝居を舞台に息の長い女優生活を続け、とりわけ衛星放送の源孝志演出「京都人の密かな愉しみ」では枯淡の境地に達した晩年の名演をみせたが、2018年10月27日に76年の生涯を閉じた。

1)田中重雄監督の「女の賭場」
1966年、江波杏子主演の女賭博師シリーズの記念すべき第1作であるが素晴らしい。
2)弓削太郎監督の「女賭博師」
1967年のシリーズ第2作。江波杏子の魅力爆発。懐かしの川口小枝子も出ているぞ。
3)弓削太郎監督の「女賭博荒し」
1967年のシリーズ第3作ではOLの江波杏子が「昇り龍のお銀」になって高千穂ひづる、成田三樹夫と共演。アップに堪える江波の艶姿ずら。
4)田中重雄監督の「三匹の女賭博師」
ラストでは安田道代の窮地を救った江波杏子が三条魔子と対決するのだが、いずれも美女で蟹じゃないのだから、三匹はちょっと困る。1967年のシリーズ第4作ずら。
5)井上芳夫監督の「関東女賭博師」
1968年のシリーズ第5作。見えなくなった眼を捨てて耳と心眼で最後の戦いに勝利する銀子の姿は美しい。
6)田中重雄監督の「女賭博師乗り込む」
1968年のシリーズ第6作。芸者と賭博師姿をみせる江波杏子。ここでも第4作に登場した安田道代と三条魔子が銀子とセットで出てくるが、三条魔子というのはどうも私の趣味ではないな。
7)井上芳夫監督の「女賭博師鉄火場破り」
1968年のシリーズ第7作では、いわくつきの原知佐子が立ちふさがるが所詮お銀の敵ではない。大友柳太郎がいい味を出している。
8)田中重雄監督の「女賭博師尼寺開帳」
1968年のシリーズ第8作では、お銀の父親役の大辻志郎がイカサマばくちに夢中になり、その結果お銀が迷惑を蒙るが、最後は順当勝ちで三条魔子をまかすのである。
9)井上芳夫監督の「女賭博師絶縁状」
シリーズ9作目では昇り龍のお銀が島田正吾の教えをうけて成田三樹夫をやっつける。
10)井上芳夫監督の「女賭博師奥ノ院開帳」
1968年のシリーズ第10作は伴淳三郎が登場して圧巻の出来栄え。
11)田中重雄監督の「女賭博師みだれ壺」
1968年のシリーズ第11作。えろい安田道代の他に浪花千栄子、長門勇、川津祐介、小松方正、柳永二郎などがドカドカ出てきて楽しめる。
12)井上芳夫監督の「女賭博師さいころ化粧」
1969年のシリーズ第12作。本作では素敵な洋装の江波選手がバーの歌手になって「眠られぬ夜のために」という歌をハスキーな声で唄っている。賭博では久保菜穂子が片肌を脱いで活躍するずら。
13)田中重雄監督の「女賭博師十番勝負」
69年製作のシリーズ第13弾。高千穂ひづるがエロイ。このシリーズでの田中作品は本作で終了。やはり井上選手の敵ではなかったずら。
14)井上芳夫監督の「女賭博師丁半旅」
天井からライトを当てるいかさまを見破ったお銀が最後の大勝負に勝利するが今回のキャメラは冴えないずら。シリーズ第14弾。
15)井上芳夫監督の「女賭博師花の切り札」
69年の製作でシリーズ第15弾だが、江波杏子の歌が聞けます。耳を傷めたお銀だがラストでは胸のすくような逆転勝ちを収めるのでしたあ。
16)井上芳夫監督の「女賭博師壺くらべ」
70年製作のシリーズ第16作では刺されていきなり海に投げ込まれる江波杏子。死んじまったのかよと心配したが、どっこい無事に復活して親の仇を討つのである。今回初登場の丸山明宏がさすがの存在感ずら。
17)三隅研二監督の「新女賭博師壺ぐれ肌」
71年の製作でタイトルに「新」がついたが中身は徹底的にダサくて「旧」。江波杏子や安田道代が本郷功次郎と一緒にドス振り回して敵を切りまくるなんてまるでヤクザ映画だ。三隅のこのバカバカしい演出が本シリーズの止めを刺す最終作となり果てた。馬鹿野郎めが。


人はみな風にそよげる葦にして邪教と知りつつ教えに縋る 蝶人
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宮崎駿作「風の谷のナウシカ」第3巻を読んで

2021-06-08 15:42:21 | Weblog

照る日曇る日第1588回


進撃するトルメキア軍に大反攻する土鬼軍の戦いに巻き込まれた風の谷の族長ジルの娘ナウシカは、土鬼の子供たちを助けるためにトルメキアのヴ王の娘クシャナ殿下の命にしたがって愛馬カイに跨り前線を駆け回る。
クシャナの機略によって土鬼の皇弟ミラルバの裏をかいたトルメキア軍は、危機を脱し、ナウシカは土鬼の捕虜たちの解放に成功するのである。
と言うても書いてもなんのこっちゃ分からんちんであろうがあ。

プーさんから3人目の子を許されて嬉しいですか哀しいですか 蝶人
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オンライン配信の「岡井隆さんをしのぶ会」について

2021-06-07 20:35:53 | Weblog

蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第392回


6月5日に東京ステーションホテルで行われた「岡井隆さんをしのぶ会」のオンライン配信をユーチューブでみました。みたというと珍奇な催しを見物したような感じですが、昨年7月に92歳で他界された敬愛する歌人、詩人にふさわしい開放的な葬儀に電脳的に参列したのでした。
普通のお葬式や偲ぶ会ですとコロナ感染の危険もあるし、遠くから電車に乗っていかなければならないので大変ですが、これなら「未来」の関係者だけでなく、私のようなミーハーも気軽に参加できるので喜ばしい。
岡井隆と「未来」短歌会の人たちは、短歌の変革みならずコロナ時代の追悼の在り方についても先鞭をつけたのでなはいでしょうか。
佐伯裕子さんの開会の辞で始まり、「未来」編集・発行人の大辻隆弘さんの追悼の辞、加藤治郎、道浦母都子さんのビデオ挨拶、大辻さんと「塔」の永田和弘さんの(NHK短歌での)対談、池田はるみ、黒木美千代、笹公人さんの鼎談を経て池田さんの閉会の辞で閉じる1時間48分に及ぶ「しのぶ会」は、登場する人々の偉大な師表に対する敬意と弔意の真心に包まれた素敵な会合で、私もパソコンに映し出された祭壇に向かって謹んで黙祷させていただいたことでした。
そのなかで岡井さんが常に近寄りがたい雰囲気を漂わせ、会合の後も御茶や2次会に参加せずそそくさと立ち去るヒトであったという発言がありましたが、やはり結社の長たるものとしては特定の誰かやなにかには偏らず、それなりのケジメをつけようと決意されていたのではないでしょうか。
その代わりに「塔」の永田さんやフリーな?穂村弘、東直子のような別世界の人たちとは比較的フランクな形で付き合った、付き合えたのかもしれませんね。
個人的にはもう少し笹さんが池田はるみ、黒木美千代ご両人から多彩な証言を引き出せたら良かったのに、という隔靴掻痒の思いもありましたが、全体的には普通の対面式の「偲ぶ会」よりも中身のある充実した会だったのではないでしょうか。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976386069&owner_id=5501094

岡井氏に一首選んでもらえた日 朝から晩までうれしかりけり 蝶人
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大高保二郎松原典子訳岩波文庫版「ゴヤの手紙上」を読んで

2021-06-06 11:32:16 | Weblog

照る日曇る日第1587回

ゴッホにテオという最愛の弟がいたとすれば、スペインの大画家フランススコ・デ・ゴヤ(1746-1828)における、ちょうどテオに匹敵するようなかけがえのない存在がマルテイン・サバテール(1747-1803)だったろう。
サバテールはゴヤと同郷のアラゴン地方サラゴーサの有力な実業家で、その比較的短い生涯のすべての時期をつうじて画家ゴヤを支援し続けたのみならず、2人は肝胆相照らす竹馬の友だった。
1746年から1828年に至る画家ゴヤの書簡の大半を収めた本書の、そのまた大半を占める親友宛の手紙は、あたかも漱石と子規のやり取りのような真率さと率直さに満ち溢れ、読む者自身の暗い胸中心さえも、らくらくと押しひらいてしまう明るい生命の解放感が息づいている。
なかでも1782年ごろに「共作された」63番書簡は傑作で、ゴヤの筆不精に抗議するサバテールからの手紙に、ゴヤがイラスト入りの反論を書き加え、それをサバテールに送り返している。145番に書かれたゴヤ唯一の詩も興味深い。
これらの微笑ましい書簡の数々を読んでいるうちに、親友同士の2人の男には、もしかすると肉親以上の精神的肉体的な関係があったのではないか、という疑念さえひそかに湧いてくるのである。

社説ではパラオリ中止を説きながらスポーツ面では推進している 蝶人
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クリスティアン・ツァハリアスの「モザールピアノ全集」全15枚組を聴いて

2021-06-05 11:34:22 | Weblog

音楽千夜一夜第476回

ツァハリアスなんててんで名前も聞いたことがないピアニストだったが、ともかくモザールのピアノを聴きたかったので衝動買いしたところ、意外や意外、耳タコの名曲が新鮮に聞こえてくるのでちょっと驚いたずら。
15枚の中にはピアノソナタ全曲と2つのピアノ四重奏曲、それに6番から27番までの協奏曲が詰め込まれている。協奏曲の指揮はマリナー、ジンマン、ヴァント、伴奏はシュッツガルト放響、バイエルン放響、北ドイツ放響とまちまちで、録音の時期もさまざまなのだが、随所にさりげなく聴かせどころを仕組んでいてなかなか楽しめます。これで1枚157円とはいい買い物をしたものだと自画自賛しているところ。
ところのところで、6月3日のサントリーホールでは、御大バレンボイムがベートーヴェンの初期ソナタ4曲の代わりに間違えて、翌4日用の後期3大ソナタを演奏したもんだから、大騒ぎになったらしい。
中には2日続けて後期が聞けて大喜びしているけったいな人もいるようだが、あえてマイナーな初期作品を聴こうと張り切っていた人にとっては、有難迷惑もいいところだろう。
招聘先では、3日の高額チケットを購入して別の曲を聴かされた客のために払い戻しをするそうだが、指揮に、ピアノにと、さすが博覧強記の鉄人も、寄る年波と超多忙スケジュールには勝てず、不慮の大ボケに見舞われたのだろうか。
世界的パンデミックの最悪の時期に、なんで緊急事態宣言下の本邦にやって来たのか自宅に籠り切りの老生には分かりかねるが、一日個早く帰国して自宅で静養して頂きたいものである。

君もねえいい年なんだから自宅でねえ奥さん子供とくつろいだほうがいい 蝶人
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黒柳徹子著「窓ぎわのトットちゃん」を読んで

2021-06-04 15:56:23 | Weblog

照る日曇る日第1586回


今思うと夢のような話だ。毎日のように「徹子の部屋」に出ている当の本人でさえそう思っているに違いない。
世界大戦前夜の数年間、トットちゃんが通っていた小林宗作校長先生の、いま振り返っても奇跡のように自由で、「子供本位」「子供本来」の小学校があったのは、自由の街、自由が丘だった。
大学に進学した丹波の山猿の私が、寝台急行「出雲」に乗って上京し、奥沢に住む親戚の紹介で初めて下宿したのが、かつてトットちゃんの通ったトモエ学園があった、この街だった。
トットちゃんたちが良く散歩した九品仏の浄真寺は、その広大さと豊かな緑と水の恵み、そして都会の真ん中とも思えぬ静謐さに恵まれた浄土宗の名刹であるが、奥沢のそのお世話になった親戚の墓所もこのお寺にあり、私もここを何度か訪れて学生生活の不毛と都会の喧騒を忘れることができた、かけがえのない場所だった。
トットちゃんたちが、小林校長や仲間と一緒に飯盒炊爨に出掛けた等々力渓谷にも思い出がある。敗戦間近の1944年、それはトモエ学園が米軍の空襲に遭って焼滅した年でもあるが、私の両親はこの私を安全安心!?に産むために、等々力の借家を引き払って郷里の丹波に引き上げたのである。
子供の教育の在り方について生きた実例をまざまざと示して感動を誘う本書の中身については、つとに知られたお話なのでここには触れないが、この本は、私の個人的な思い出に彩られた忘れがたい1冊なのである。


ベートーベンの決められた曲を弾かないで別の曲を弾くダニエル・バレンボイム 蝶人
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すべての言葉は通り過ぎてゆく 第92回

2021-06-03 16:01:13 | Weblog

西暦2021年皐月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第391回


テレビをつけると、いつも誰かがコロナやオリ・パラについて猛烈な勢いで口角泡を飛ばして喋っているのだが、こないだ事故で死にかけた私にとっては、ある意味ではどうでもいい話になりつつあるようだ。5/1
昨夜素っ裸になってよく調べてみると、右足のうしろにかなり広い範囲の内出血があった。事故から1週間以上も経って、そんなもんを発見するとは!5/2
バイオリニストのイザベル・ファウスト嬢によれば、いま欧州では客を入れてコンサートを開催している国はなく、演奏家はみな貯金を取り崩して生活しており、フリーランスのなかには音楽以外の仕事を探している人もいるそうだ。5/3
以前は護憲派の集会の次に改憲派を紹介していたNHKだが、今年はその順序が逆転した。さすがは「みなさまの国営放送」だな。5/4
4日現在のコロナ感染数は世界累計で1億5333、死者は321万強だが、なんというても米国、インド、ブラジルが凄い。日本は61万&1万で3強に比べたら被害は少ないが、コロナ元凶と思われる中国が10万&4846と少ないのは、納得がいかない。5/5
今までエンゼルスの大谷の試合ばかり中継してきたのに、今日はダルビッシュ。せっかく大谷が投げて絶不調の筒香も出るんだから、別枠BS-1で放送しろよ。5/6
頭の半分は五輪、残りの半分でコロナ対策という脳内分裂呉越同舟状態のガースーだから結局にっちもさっちもいかなくなるのは最初から分かり切った話だ。相変わらずPCR検査はセーブしているし、医師へのワクチンだってまだ4割という体たらくだ。5/7
緊急事態だかマンボウ状態だか知らないが、んなもん丹後の宮津でピンと出しただけで感染拡大が止まると思ったら大間違いだぞ。まず五輪を止めろ。オリプレをキョロキョロみているから本腰が入らないんだよ。5/8
鎌倉市長が憲法講演会で憲法学者木村草太氏の登壇を拒否したのは由々しき問題。すべての公務員は憲法遵守尊重の義務を負うがゆえに、改憲論者を拒否すべきなのだ。5/9
変異種の登場で最近の本邦の一定人口あたりのコロナ死亡率はインド、ブラジルには及ばないが中国、アメリカを凌駕するようになって来たが、それでもインフルエンザより死者が少ないから休業措置は要らないと豪語する手合いがいるようだ。5/10
今ほど指導力が必要とされる時期はないのに、トップに立つ人物が見せつける恐るべき無能と無責任! 国と都道府県、感染専門家と政治家、五輪決行派と中止派国民との間の溝は日一日と深まるばかりだ。5/11
もしもいま保守党や内閣、或いは有力知事の誰かが「コロナ五輪に反対」の意思表示をしたら全国民の圧倒的支持を獲得するだろうが、幸か不幸か、誰一人そのことに気づいていない。5/12
イスラエルとパレスチナが交戦しているというと、どっちもどっち喧嘩両成敗のように聞こえてしまうが、これはイスラエルが悪い。この間彼らは、国連安保理の協定に違反しパレスチナの領地から住民を追い出して勝手に住居を新設しているからだ。5/13
もはや全国にパンデミック第4波が来襲し、強力な変異型ウイルスが全国を席卷しようとしているのに、相変わらず地域限定のバラバラ後手後手マンボウ・ニンボウ・ヤンボウ程度でお茶を濁そうとしているガースー政権。5/14
湘南鎌倉病院の整形外科、御成通りの内科、小町通りのヒニョウ器科、横須賀の歯医者に加えて逗子のリハビリにも通うことになった。これでコロナなんかに罹ったら最悪じゃ。5/15
2月下旬にイソジン知事が緊急事態宣言の解除を要請し、3月1日の解除を受けて大阪の運用病床を減らした軽率な判断と妄動が、今回の第4波来襲における致死率の急上昇に直結している。マスコミがちやほやする政治家の無能が、無辜の民を殺しているのではないか。5/16
呆れたことにまだ33%が内閣を支持しているそうだが、アンケートのやり方がおかしい。感染対策や五輪姿勢などの各論を尋ねた後に、その累積の結果として当該内閣を支持するか否かを聞くべし。いまはそれが切り離されている。5/17
こうしてみると、イスラエルも、ロシアも、中国も、アメリカも、北朝鮮も、日本も、みな専制者の私利私欲のために民草の自由を撓める碌でもない国ばかりだな。5/18
デジタル庁なんちゃって、おらっちのようなデジタル弱者の民草を国家権力が一元管理するための方便に過ぎないのよ。5/19
窓から外を見ると、私の大好きな一羽のコジュケイが、道端をヨタヨタと歩いている。そのすぐそばを軽トラが勢いよく通り過ぎる。こないだの私みたいに、轢かれてしまうのではないかと心配だ。5/20
五輪とコロナ退治と、どっちが大事か? もちろんコロナである。ところが、今やコロナ退治を一番邪魔しているのが、五輪である。よって、直ちに五輪を御臨終にせんけりゃならん、ちゅうこっちゃ。5/21
「いつか裏駅通りの中華で一緒に食べたラーメン、薄味でけっこう美味かったね」と息子に言われても、てんで思い出せない父の哀しみ。痴呆症になったんかしらん。5/22
昨夜は風が強すぎたが初螢が1匹、今朝は待望のホトトギスの初音を聞いた。5/23
連続優勝を飾った大関照ノ富士も素晴らしいが、十両で初優勝した宇良にも解説の北の富士さんともども拍手を贈りたい。2度の右膝手術を乗り越え、照ノ富士同様、序二段から見事復活したのだ。5/24
ビルマ、中国、ロシア、イスラエル、ベラルーシなど専制国家の有形無形の暴力に対して絶望に駆られ他に手段のない無辜の民草が武装蜂起するのは止むを得ないことで、それを「テロは絶対にいけない」などと偉そうに説教できるのは、今のところ生命の危険を感じないで済む国に住むコロナ呆けの呑気な父さんだけである。5/25
ガースーもミドリノタヌキも、元テレ朝女も橋本聖子も、自分の大脳前頭葉で主体的に思考することを放棄しているから、最早槍が降っても、コロナが降っても、ただただ「アンゼンアンシンゴリンジュウ」の阿呆鱈経を唱えることしか出来ないのである。5/26
昨夜は満月の皆既月食が見られるというのでうるうろさ迷い歩いたが、どこにも見当たらない。森戸橋には一匹の蛍もいない。かえりしなに木影でホトトギスが鳴いたので振り返るとその上空に崩れかけのクラゲのような月が朧に霞んでいた。5/27
「自信をもって日本へ来て」とIOCのバッハ会長は言う。お前さんは日本のコロナ感染の実態を知っているのか? いつからおめえは日本人になったんだ。528
朝から晩まで自衛隊の老人ワクチン接種大会噺でかまびすしいが、河野氏によれば6月中に自治体に回るワクチンは約5千万人分。7月から9月までに配布されるのは3500万人分、残る1200万人分は10月から12月のなるそうだ。大丈夫かな?5/29
レイズでは、ったく打てずに解雇され、奇跡的にドジャースに拾ってもらった筒香なのに、相変わらずてんで打てない。早く日本に帰ってきたら。5/30
もうすぐ天井の雨漏りの修理に来るので、その前に本とDVDと本棚オーデイオ装置を片ずけて大工さんの作業スペースを作らなければならないのだが、まだ痛む腕でキーボードを打っている。5/31


憑きものがいっぺんに落ちたようであるバイデンになってからのアメリカ 蝶人
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なにゆえに~第87回2021年5月西暦2021年皐月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2021-06-02 11:23:11 | Weblog


ある晴れた日に 第650回


なにゆえに東京五輪にしがみ付く民の命を危険に晒すな
なにゆえに日本政府は何もしないビルマ国軍に打撃を与えよ
なにゆえにイソジン知事は辞職しない感染拡大の責任をとって
なにゆえに1回転して生き延びた天上の母が手を差し伸べた
なにゆえに中国の被害は日本より少ないコロナウイルスの元凶なのに
なにゆえに絶不調の筒香を出すレイズの監督は太っ腹だね
なにゆえに感動しないユニクロの感動パンツを穿いているのに
なにゆえに歯医者に行けない整形外科での治療がまだなの
なにゆえに道路にチョークで○がしてある私が事故って着地した場所
なにゆえに専門家の意見を聞かない学術会議も感染会議も
なにゆえに専門家は政府のいいなりになるその実態は御用政治家
なにゆえにおめえはてんでやる気がない整形外科のおいぼれ医者め
なにゆえに朝の5時から電話する「お父さん昨日録画してくれた?」
なにゆえに大相撲に客が入る緊急事態宣言が出るや否や
なにゆえに午後2時に夕刊が来るどうでもいいよな一面トップで
なにゆえに大阪の死者が増えている維新がどんどん病院を減らした
なにゆえにウイルス接種がこんなに遅れる内閣が仕事をしていない
なにゆえにネタニエフを止めないバイデンにしかそれは出来ない
なにゆえに中山はイスラエルと共にある?お前は歴史を勉強し直せ
なにゆえに朝の5時から電話がかかる昨夜は録画してくれたかと
なにゆえにエンジェルスは勝てない名将マドンと大谷がいても
なにゆえに「治らんかもしれんね」と医者が言う事故で怪我した右手の痛み
なにゆえに桜の根方にアスファルトをかける蝉の幼虫が死んでしまう
なにゆえに五輪とコロナを切り離す五輪はコロナの最大の敵
なにゆえに「犠牲を払え」というのかえおめえ五輪の生贄になるかえ
なにゆえに平日朝から観光に来る大谷のホームランでも家で見てろ
なにゆえにクナパーツブッシュの「ワルキューレ」は冴えないウイーンフィルとのステレオ録音なのに
なにゆえに3時を過ぎても帰ってこない息子に何かが起こったのか?
なにゆえに腱板損傷は超痛い4つの筋のどこかが切れてる
なにゆえにミャンマーチームと戦っている軍が送った不正規チームと
なにゆえにただ歳月が流れ去る不要不急の人世なりしが


 朝晩に東西の知事が顔を出し天気予報士のごとくコロナを語る 蝶人
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西暦2021年皐月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2021-06-01 17:22:20 | Weblog

ある晴れた日に第650回


蝙蝠のごとき男というべきかある時は医師時々政治家
或る時は政治家また或る時は専門家なり尾身てふ蝙蝠
欧州では観客入りのコンサートなく音楽家みな貯金を崩すと
またしても脳科学者の妄言を「その時歴史が動いた」で聞かされる
即ガナちゃんと愛称されし照ノ富士奮戦苦闘賜杯を掴む
ガントルガ・ガントルデネって誰でしょう? ガンガン頑張る照ノ富士です
「ガナちゃん」と呼ばれているのは照ノ富士その本名はガントルガ・ガントルデネ
CMでけなげに笑う杏なれど心の中ではきっと泣いてる
見れば悲しみを堪えてけなげに笑ってる杏よぐあんばれ
五輪にさえNoと言えない君よいったい何にNoと言えるの?
撥ねられてのたうつ私に駆け付けて「大丈夫ですか」と聞く撥ねたその人
右腕がいうこときかぬ物持てぬ交通事故の置き土産らし
街に出ればいつ事故に遭うか分からないいつもきれいなパンツをはこう
生と死は紙一枚で接していると交通事故で初めて分かった
試合には負けたが大谷のホームランだけ報じる日本のマスコミ
「南武線見てますよ」と息子いう見るべき番組は見ているコウ君
半蔵門の文楽すべて中止となる慌てて切符を買わずに良かった
今日もまたアホダラ経を唱えてるアンシンアンゼンアンシンアンゼン
私利私欲だけで生きてる政治家は顔見ただけですぐ分かります
何事のおわしますかは知らねども一味同心五輪臨終
トトトトと急かせる信号音が怖いとて横断歩道を渡れぬ息子
このせつはベルリンフィルも血迷いて得体の知れぬ若手が棒振る
緑色のブリキの缶の蓋を開け赤白黄色のドロップを嘗める
我にしてもしミャンマーの民ならば徒手空拳で軍に向かうや
「ぜひ遊びにきて下さいね」と言われたが選挙事務所って何するところ?
いくつもの時間を同時に生きるため百円ショップの時計を買い込む
このメール受信拒否は出来ませんと言いながらPR情報をどんどん送り込むau
たまたまのたまたまたまのたまたまの純利益4.9兆
何度見てもアブサキとしか読めまへん前頭5枚目阿武咲
白秋の「朱欒」などを思いつつがぶりと喰らう土佐の文旦
不可能を可能にせんと挑めどもトム・クルーズはずるずる年取る
シリーズも終わりを迎えトム・クルーズただの中年男になりゆく
裏庭で土竜の子どもが死んでいた黒いびろうどの喪服に包まれて
命脈も尽きつつあるか皐月尽


ガンジーてふ印度人ゴルファーを見つけたりガンジー選手を応援しよう 蝶人
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