Special Beat Service / The Beat (1982)
昨年発売されたザ・ビート(The Beat)の3作目のデラックス・ヴァージョン。オリジナル・アルバムにボーナス・トラックを加え、更に2枚目にはライヴを含む様々なヴァージョンを、DVDには当時のPVやTV番組出演時の映像を収録している。
ザ・ビートはイギリス出身だけれど、アメリカにも同名バンドが居たかなんかで「イングリッシュ・ビート(The English Beat)」と名乗ったりしたのでちょっと分かりにくいが、70年代末の2トーン・スカのムーブメントにスペシャルズ(The Specials)やマッドネス(The Madness)と並んで人気のあったバンドだ。メンバーは後にジェネラル・パブリック(General Public)やファイン・ヤング・カニバルズ(Fine Young Cannibals)に分かれていく。
自分が彼らを最初に知ったのは当時毎週食い入るように見ていた小林克也出演の「ベスト・ヒットUSA」でこのアルバムに収録された曲「I Confess」が放送されたのを見てから。それでバンド名のいきさつかなんかの説明があり、あっ、ポリス(The Police)のスティング(Sting)が「Don't Stand So Close To Me(高校教師)」のPVで着ていたのはこのバンドのTシャツだ、と認識した次第。
彼らのアルバムはどれも出来がいいが、あとから聴いたファーストやセカンドと比べると少し落ちついてよりポップな印象を受ける。どの曲も彼ららしく軽快で、ヴォーカルのデイヴ・ウェイクリング(Dave Wakeling)とトースティング(ラップのようにリズムに合わせてのしゃべり)のランキン・ロジャー(Ranking Roger)の掛け合いがより洗練された感じを受ける。ボーナス・トラックはシングルB面曲や12インチ盤に収録されたヴァージョンにライヴ音源も足している充実した内容。一部を除き当時のものばかりで、この再発にあたって新しく作ったミックスなんかを追加していないのがいい。DVDの映像は懐かしいPVや口パクもありのスタジオ・ライヴなど。少しメニューが使いづらい(曲の連続再生が出来ない)のが難点。
ザ・ビートの再発に関してはこのEdselレーベルとは別にアメリカではShout! Factoryレーベルがコンプリートと称してボックスを出している。
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