Live At Fillmore West (Expanded Edition) / King Curtis (1971)
キング・カーティス(King Curtis)が71年にアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)のバックを務めてフィルモア・ウエストに2日間出演した時の、アレサ登場前の前座演奏の録音盤。通常は9曲の収録だが、この盤は拡張されていて5曲追加で全14曲収録。ただ本編前の前座と侮ることなかれ、本編に勝るとも劣らず充実した内容で、1曲目を除いて他者の有名曲のカヴァーだが、これが何ともいえずゴキゲンなアレンジで熱い熱い演奏。
プロコル・ハルムの2、レッド・ツェッペリンの3、バンド・オブ・ジプシーズの5、スティーヴィー・ワンダーの8など発表後さほど時間の経っていないヒット曲をファンキーなアレンジで聴かせてくれる。普通こんなことやったら二流っぽい演奏になるのが落ちだが、カーティスの手抜きなしのサックス・ブロウといい、他のメンバーの演奏といい、こんな熱い演奏のあとに登場するアレサも大変だ。けれどこの時期のアレサはノリに乗っていて、充分温まった観客の前で引き続き熱い歌唱を披露して、ライヴ・アルバムは超のつく名盤となった(「Aretha Live At Fillmore West」)」。
こんなすごいライヴを見に行った観客がうらやましい。このライヴの全貌は最近になってライノから限定盤4枚組CDとして発売された(もちろん現在ではやや入手困難)。でもここはやはりどちらも編集されたオリジナル盤での濃密さを楽しみたい。→ といいつつ自分は拡張盤を買っているが…(笑)。
残念ながらキング・カーティス本人はこのライヴのすぐ後に刺殺されて死去している(この項を書く為に調べるまで知らなかった)。
中古店にて購入(¥1,050)