Roots Of Reggae Volume One : Ska / Various Artists (1996)
コンピレーション(編集)アルバムでは定評のあるライノ(Rhino)レーベルが選曲。レゲエ・ミュージックの祖となった「スカ」の歴史を紐解く一枚。偉そうな事を言っておきながら未だに「スカ」と「ロック・ステディ」の区別もうまく説明できませんが。諸説あるも大まかに言うと「スカ」→「ロック・ステディ」→「レゲエ」という流れ。ビートは前者の方がより早い(大まか過ぎるかな)。
ライノ・レーベルが発売したコンピは、どのジャンルでも比類なき選曲センスの良さとリマスタリングの音の良さで、最も信頼出来るレーベルなので中古などで見つけたら是非お奨めです。出来れば大手ワーナー傘下になる前の物がより遊び心があっていいかな。普段聴いた事がないジャンルでも聴いてみようかなと思った時にはライノ選曲の編集盤を選ぶと俯瞰するにはもってこい。
旧譜がデジタル・リマスタリングされてCD化されている場合、初期の80年代と90年代、00年代以降では色々な音の流行(傾向)があって、特に90年代頃のリマスタリングはどのメーカーも通称「ドン・シャリ」という高音と低音を派手に持ち上げた物が多く、今聴くと不自然さが目立つ(当時はそれでもイイと思ったんだけどね)。特にオリジナル(アナログ)に親しんだ人にとっては、「こんな音じゃないっ」と違和感を感じる事もしばしば。その後、よりアナログに近いナチュラルな音のバランスを追求するようになっていったが、ライノは前々から素直なリマスタリングなので、古いCD作品を聴いても、さすがに近年のものに比べると音圧こそやや弱いものの、違和感なく楽しめる。特にビル・イングロット(Bill Inglot)氏というリマスタリング・エンジニアが関わっている作品はまず外しがないので参考にしてみるといいと思います(このサイトが詳しい)。
この作品も大手に吸収される少し前の作品だけれど、的を射た選曲で、スカの歴史、レゲエの歴史うんぬんを抜きにしても楽しいダンス・アルバムです。70年代後半に新解釈でリバイバル流行したスペシャルズ(The Specials)やマッドネス(Madness)等の2トーン・スカのファンの人達には元ネタの曲も入っているのでより楽しめますよ。
01. Judgement Day - Laurel Aitken
02. Lover Boy - Derrick Morgan
03. Chubby - Bunny & Skitter
04. Madness - Prince Buster All Stars
05. African Blood - Prince Buster All Stars
06. Ruff And Tuff - Stranger Cole
07. We Two Happy People - Stranger & Patsy
08. Love Not For Me - Higgs & Wilson
09. Sammy Dead - Eric 'Monty' Morris
10. I Don't Know - The Blues Busters
11. Oil In My Lamp - The Ska Kings
12. Jamaica Ska (Dog War) - Prince Buster & The Maytals
13. Rude, Rude, Rudee - Prince Buster All Stars
14. Alcapone - Prince Buster All Stars
15. Bonanza SKa - Carlos Malcolm & His Afro-Jamaican Rhythm
16. Love Up And Push Up (Rub Up And Push Up) - Justin Hinds & The Dominos
17. Ten Commandments (From: Man To Woman) - Prince Buster All Stars
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