Radical Departure / Ranking Roger (1988)
元ザ・ビート(The Beat)→米名ザ・イングリッシュ・ビート(The English Beat)~ジェネラル・パブリック(General Public)のランキン・ロジャー(Ranking Roger)初のソロ・アルバム。ツー・トーン・スカで世に出た連中は国民的バンドにまで成長したマッドネス(Madness)ぐらいを残して、それぞれ80年代半ばには別活動をしていたが、彼も相棒デイヴ・ウェイクリング(Dave Wakeling)と分かれ、ソロ活動を開始。発売当時はまだレコードでの発売もあって、輸入レコード屋でよく見かけたが、見かけた割にあまり食指が動かず、買い逃してそのまま四半世紀経った。ザ・ビートの大ファンだった事もあってすぐに手を出してもよさそうなもんだったけど…。自分でも意外。
たまたま安く売っているのを発見して、音はだいたい想像が付いたものの、懐かしさもあって購入。いきなりこれぞ80年代というシンセ・ドラムにDX7(※)的なキーボード・サウンド。そうそう、この頃ってみんなこういう音だった。曲調は意外にも、スカ、ダンスホール路線は少なく、どちらかというとジェネラル・パブリック路線のエレクトリック・ポップ・ファンクとでもいう感じが多い。彼独特のヴォーカルとトースティング(ダンスホール・レゲエの今でいうラップみたいなもの)は魅力的だけれど、やはり今聴くにはちょっと音が古いかな。でもこうして彼のヴォーカルを単発で聴いてみると、元相棒のデイヴの声ととてもよく似ている。
80年代の音楽ってメロディーがまだ健在で、大好きだけれど、当時多用されたシンセのお陰で、今聴くとどれも音がものすごく古臭く感じるのでちょっとつらい。でも同時代に生きた者とすると堪らなくいいんだな、これが。この後、本格的にラップ、ヒップ・ホップが台頭すると、「リズム」ばかりが強調され「メロディー」が消えていってしまい、いわゆるポップスというものが変質してしまった。
(※)当時世界中を席巻したヤマハ製デジタル・シンセサイザー・キーボード
ブックオフにて購入(¥250)