PWR/UP / AC/DC (2020)
何を差し置いてもこれ。AC/DCのニュー・アルバム「PWR/UP(Power Up)」が発売された。聴覚に問題が出てバンドを離脱していたブライアン・ジョンソン(Brian Johnson)が復帰、問題(殺人教唆?)で逮捕されてこれまたバンドを離脱していたフィル・ラッド(Phil Rudd)も復帰、引退宣言をしていたクリフ・ウイリアムズ(Cliff Williams)も復帰して、マルコム(Malcolm Young)の死後、めでたく現在考えうるオリジナル・メンバーが揃ってのアルバム完成。前回ツアーではヴォーカルにガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)のアクセル(Axl Rose)が代役に立っていたので、すわ、このままバンドに…なんて思っていたので一件落着(→ガンズでのアクセルは嫌いじゃないですが)。
1曲目からもう笑ってしまう程いつもの通りのAC/DC節。その音楽性、金太郎飴の如し。これをワンパターンと言ってしまっては敬意が足りない。こうあることが絶対で、それを裏切らないのがAC/DCなのだ(←ほとんど宗教・笑)。マルコムが亡くなろうが、メンバーが離脱しようが、いつだって全くブレないアンガス(Angus Young)の鉄の意志が凄い。ここ何年かのインタビューを読んでもアンガスだけは自信に満ち満ちていて何も心配していなかった。本作でもアンガスのリフは冴えまくっている。プロデュースは前作、前々作と同様にブレンダン・オブライエン(Brendan O'Brien)。特に新機軸を打ち出す訳でもなく、いつも通りのAC/DCを演出したのは見事。よく分かってらっしゃる。相変わらず07のような曲を挟むのも心憎い。例えばこのアルバムの中の曲を聴かされ、90年代以降の「○✕」というアルバムの曲だって言われても「あ、そうだっけ」と言ってしまいそう(笑)。過去2作でも今作を聴いてみても、AC/DCのアルバムは誰もが知るような強力なヒット・シングルがある訳でなし、豊かな音楽性を誇る訳でなし、ただ”AC/DCを楽しむ”ように出来ているので、いわゆる名盤にはなりにくいけれど、もうチャック・ベリー(Chuck Berry)を聴くのと同じ次元になっているのだと思う(→強烈なえこひいき・笑)。
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- Label : Columbia
- ASIN : B08KGT79CH
- Disc : 1
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