中津川駅前の通りにどっしり店を構える酒屋「仁科吉五郎商店」。外装はとても綺麗にしてあるがかなり年季の入っていそうな町屋造りの店。創業年はよく分からなかったが、きっとかなり歴史がある店じゃないだろうか。「菊牛蒡漬」という名物もここで作っているようだ。この日は車だったので1升瓶を持ち帰ろうと予定していたが、酒蔵は一部を除いて日曜休みのことがほとんどなので酒屋で購入しようと寄ってみた。店に入ると棚にズラッと1升瓶が並んでいる。地元中津川の酒造(はざま酒造、三千櫻酒造、大橋酒造、恵那醸造)はもちろん、他の地域の酒も数多く揃っている。店番の女将さんの後ろに棚があるので、残念ながら手に取って見ることが出来ず遠くからラベルの文字を読み取っていく。選んだのは地元中津川で創業文政年間(1818)「恵那醸造」の「鯨波・純米」。
海の無い岐阜県で”鯨”って不思議な感じだけれど、ラベル裏には雄大な中央アルプスに浮かぶ雲を鯨に見立てたと書いてあった。蔵元も標高600mというところにあるのだとか。やっぱり行ってみたかったナ。使ってある酒造米は”ひだほまれ”100%。まず冷や(常温)で呑んでみる。思ったよりもどっしりとしていてほのかに甘みも感じられる。大まかに言ってしまうと昔風か。ただ冷やで呑み続けると疲れそうだったので、次は燗(上燗)をつけてみると…燗の方がずっと好み。嫌味でない香りも少し立ち上がり米の旨さがしっかりと舌にのってくる感じ。自分の場合、酒はほぼ100%食中酒なので、あまり華やかでないこういう酒はどんな酒肴にも合わせやすく好み。(勘定は¥2,470)
↓ 帰りはわざわざ遠回りして恵那市飯地町へ。山あいのこの地に建つのは「飯地町ふるさと民俗資料館(旧・恵那市役所飯地事務所庁舎)」(昭和29年・1954・建造)◇。玄関周りは多治見産のモザイクタイルで装飾されている。裏に回ると下見板張りの壁面が。せっかく日曜に見に来ても閉まっていて中に入ることが出来ない(要予約?)。
↓ 実は庁舎の裏山に建つ「旧・恵那市役所飯地事務所サイレン塔」(昭和29年・1954・建造)◇も登録有形文化財に指定されている。でも残念ながら頂部以外は地上からはほとんど見えない…。
仁科吉五郎商店
岐阜県中津川市太田町2-2-35
( 中津川 なかつがわ 仁科商店 仁科酒屋 にしなきちごろうしょうてん 恵那醸造 くじらなみ 純米酒 燗酒 近代建築 国登録有形文化財 )
鯨波、旨いですよね。
お酒のまとめ買いをする時は、一本は入れたいお酒です。
>燗の方がずっと好み.......
ハリーさんは、燗酒が好きですか。
ぼくは、冷やでつままないでお酒だけを飲みたい派なので、鯨波の純米吟醸を選びます。
ラベルも好きです。
純米は、鯨がみどりで、純米吟醸は、青。
ぼくは、「ひだほまれ」のお酒が好きで他の蔵のお酒も飲みますが、この酒米の扱いは、恵那醸造の長瀬さんはうまいですね。
ハリーさんならって、今度は燗で試してみます。
>鯨波
とても旨い酒でした。もちろん今までにも店とかでは呑んだことがあるのですが、
1升瓶を買って呑むとその酒のいろいろな表情が見えてきて楽しいですよね。
>燗の方がずっと好み
あくまで今回買った「鯨波純米」では、ということですが。
燗酒は大好きです。最近の日本酒を推している店ではほとんどが冷蔵酒メインですので、
そういう店では従いますが、普段自宅では冷や(常温)~上燗くらいで呑むことが多いです。
といってもいつもゆめ未来さんが紹介して下さっているようないいお酒ではなく純米の定番酒
ばっかりですが…。
「天領」の記事で紹介して下さった燗のつけ方も試したいとは思うのですが…せっかちなので
待てずに呑んじゃいそうです(笑)。