ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

御園座錦秋花形歌舞伎「歌舞伎のみかた」「正札附根元草摺」「太刀盗人」@名古屋市・御園座

2024年10月21日 | 歌舞伎・文楽

御園座錦秋花形歌舞伎「歌舞伎のみかた」「正札附根元草摺」「太刀盗人」(10月17日・御園座)

秋の歌舞伎を観に御園座へ。暑かった夏も10月に入ってようやく秋らしくなんて思っていたのに、この日は30℃に達する真夏日。汗をかきつつ会場に入った。平日の遅い公演だったが客入りはまあまあといったところ。

まず一幕目は「歌舞伎のみかた」。歌舞伎の色々を初心者向けに説明するコーナー。今回は種之助が舞台番役で出て、案内役は彦三郎。こうして役の無い彦三郎の声を聞く機会は多くないが、彼の声は落ち着いていて聴き易く、艶もあって最高にいい。やっているかどうかは知らないが、テレビ番組のナレーターとかにぴったりじゃないかな。今回は御園座のバックヤードをカメラで映した映像(録画だろう)を駆使して舞台装置や、新悟の化粧風景を見せたりとなかなか面白い。最後は客を実際に舞台に上げて見得をしたり、大向うのように掛け声をかける練習も。自分の近くにトンチンカンなオヤジ(独り言を普通の声で外に出す厄介な人)が居て、何度も何度も間違ったタイミングで大きな声で掛け声をしたりしてどうなることかとヒヤヒヤ(共感性羞恥なもので・苦笑)。

次は舞踊の「正札附根元草摺」。台座の上で決めのポーズをしたまま歌昇と新悟が出てくるとまるで人形のよう。立役の歌昇は新悟の踊っている間中、足の親指がピーンと上がったままだったが、あれもちゃんと型があるのかな。自分だったらすぐに足が攣ってしまいそう(笑)。

最後は彦三郎と種之助、蝶十郎による「太刀盗人」。松羽目物(能舞台のように大きな松が描かれた背景で演じられる舞踊劇)で、都会に出てきた田舎者がスリに遭い、それを目代(代官)が裁くという分かりやすい設定。なので面白可笑しい所作や台詞をただ楽しむのみ。スリの彦三郎が種之助の踊りや台詞を真似るのだが、ワンテンポ遅れる振り真似がちゃんとリズムになっているのに感心。わざと下手に踊るっていうのも難しそうだ(笑)。ちょっと筋が単純過ぎるのと舞台装置もシンプルなので歌舞伎を観たーっていう充足感は低かったが楽しめた。

 


 

一、解説 歌舞伎のみかた

案内役   坂東 彦三郎
舞台番種吉 中村 種之助

二、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)

曽我五郎時致 中村 歌昇
小林妹舞鶴  坂東 新悟

三、太刀盗人(たちぬすびと)

すっぱの九郎兵衛  坂東 彦三郎
目代丁字左衛門   中村 蝶十郎
田舎者万兵衛    中村 種之助


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