ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

笹乃雪 @東京・根岸 (※閉店)

2015年05月10日 | 東京都(老舗)

創業が元禄4年(1691)という途方もない歴史を持つ老舗豆富料理店「笹乃雪」。前から機会を窺っていたが、やっと訪れる事が出来た。店は鶯谷駅からすぐのところにあった。ビルになっていてかなりの大店。幹線道路沿いなので、店の周りには風情を感じさせるものが無いが、近くに寛永寺や国立博物館、東京藝大などがあり、歴史を感じさせる土地ではある(でも現状はなぜかラブホテルが乱立している・笑)。この辺り、昔はどんな風景だったんだろう。こちらでは汲み上げた地下水を使って作られる絹ごし豆富の料理が出される(江戸で初めて作られた絹ごし豆富だとか)。ちなみにここでの表記は「豆腐」ではなく「豆富」。

老舗らしく、玄関で靴を預け、下足札をもらい、テーブル席が並ぶ広間に案内される。給仕に1人だけ洋装の若い女性がいるのは次期女将だろうか。昼の口開けの時間に入ったのでまだ客は少なかったが、女性のグループ客などの予約が多いようで、後からたくさん女性客が入ってきた。いろいろ食べ歩いていて、コースでは持て余しそうだったので、一品料理とお酒を注文。店の屋上看板には「清酒 金盃」とあったんだけど、出てきたのは荒武者という銘柄らしい。この日は外が結構暑かったので冷や(常温)で戴いた。

程なくして、注文したこちらの名物「あんかけ豆富」と、「柚子味噌豆富」が運ばれる。あんかけ豆富は小さめの豆富が、必ず2つの鉢に入って供されるとのこと。創業当時はこれ一品のみだったとか。薄茶色の餡がかかっていて、溶き辛子がちょこんとのせてある。箸で辛子を広げながらひとくち。餡は見た目と違って薄味で素朴な味。絹ごしなのだが、市販品のようにつるつるとした食感ではなく、しっかりとしていて、なかなか旨い。柚子味噌はもっと柚子を効かせてもいいかなと思うくらいほんのりとした柚子の風味。どちらも豆富の味が直に舌の上に乗り、屋号が入った粋な徳利でお酒を飲りながらいただくと、とても気分がいい。ひと昔前まではビールやワインばっかり呑んでいて、豆腐で酒(日本酒)を呑むなんて考えもしなかったが、こういうのが旨いと思える歳になったんだなァ…。(勘定は¥1,500程)

根ぎし 笹乃雪

東京都台東区根岸2-15-10

 

( 根岸 鶯谷 笹の雪 餡かけ豆腐 あんかけとうふ あんかけ豆腐 閉店 廃業 )


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