このブログで病理解剖のことを書いているということもあって、関連する本を読んだ。読みたかったのは主に病理解剖の歴史についてだったのだけど、実際の手技についても読んでみると今さらながらのように、気がつかないままできたことがたくさんあるということがわかる。
考えてみると、病理医になりたての頃は手技のことばかりを読んでいた。それぞれの病理学教室とか病院などで伝統的に独自の方法が継承されているが、これは病理に限らず、臨床各科・・・外科にしても内科にしても・・・も同じだろう。流派というか作法というようなものが厳然としてあって、それらを次の世代にも教える。医療技術というのはこれまでそうやって継承されてきた。
だが、そういったことも近年急速に薄れてきている。いろいろな情報が、いろいろな媒体に載ってきていて、いろいろなノウハウ本、ビデオ、CDが出版されている。NHKの医療番組『ドクターG』なんかもより良い医療技術の拡散につながっている。
というようなことで、病理医の技術も標準化されていくといいのだが、症例によって対応が異なるため、難しいところもある。
さすが連休の谷間、今朝の電車はガラガラ

―目次―
特集 病理解剖マニュアル
第1部 病理解剖の進め方,切り出し方法など
A.一般的な進め方,検査手技
B.特殊な剖検
C.特殊な部位,手技,検体保存
D.死後画像
第2部 臓器肉眼所見の取り方
A.奇形の見方
B.中枢神経の所見の取り方
C.肺
D.循環器
E.大血管
F.肝 臓
第3部 一般的によく見られる組織病理
A.MOF の病理
B.薬剤障害
C.感染症
第4部 報告書のまとめ方
A.病理専門医試験問題より(1)
B.病理専門医試験問題より(2)
C.診療関連死
第5部 病理解剖をめぐって
A.病理解剖の歴史
B.日本の現状
C.外国の状況
D.剖検輯報データベース
E.社会との関わり
第6部 病理解剖の前に
A.法的な問題
B.感染症,環境対策
第7部 データブック
A.日本人小児~成人の平均身長と諸臓器平均重量
B.法律編