こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

ナイト、血管肉腫に対する化学療法2クール目

2018年10月18日 | 犬との暮らし

このブログをよく読んでくれている学生時代の友人が、「ナイト君のこと、心配です。もっともっと回復しますように」とのはげましのメールを寄こしてくれた。ご近所の犬友達や、老人ホームに慰問に行っていたころの仲間など多くの方がナイトの回復を祈ってくれている(ナイトの仕事 2013年11月23日 )。

わが家のフラットコーテッドレトリバーのナイトは2クール目(2回目)の化学療法を一昨日受けた。ドキソルビシン(アドリアマイシン)単剤の投与で、犬の血管肉腫に対しては標準的な治療法とされていて、余命の延長が期待できる。核酸(DNA, RNA)合成阻害薬で、ヒトでも適応疾患の種類は多い。副反応は下痢、感染症。下痢は消化管上皮の再生が抑制されるからだろうし、感染症も骨髄抑制が原因となる。とくに怖いのは骨髄抑制で、これは白血球や赤血球、血小板といった血液を構成する細胞の産生が抑制されることで、感染症のみならず種々の全身症状となって現れる。

ナイトは昨日で投与後2日目。まだ、消化管症状などが出現する時期ではないが、ずいぶんだるそうにしている。これも副作用だろう。昨晩、居間でスマホをいじっていたら足元に近づいてくるので、床に座って相手をしていたら、やがてスネの上に顎を乗せてじっとしている。風呂に入ろうと思ったのだけど、そうもいかず、10分ほどじっとしていた。写真を撮ってもじっとしている。急に頭を上げたので、ようやく何処かへいくのかと思ったら今度は体勢を変え、太ももに頭を乗せてきた。耳の下を撫でてやっていたら気持ち良さそうにいびきをかきはじめたので、そもまましばらくじっとしていた。

明日あたりから、消化器症状と貧血が出現する。初回の化学療法では貧血はあまり起こらなかったし、下痢もほとんどしなかったので、今回も乗り切ってくれるだろうと期待している。でも、この先これがあと4クール(4回)あるのかと思うとかわいそうになる。

人間も生きるために抗がん剤治療を受ける。もちろん、人間にとっても感染症との闘いは厳しい。命の危険に晒されることすらある。がんとの闘いは、まさに死闘だ。

でも、その闘いを乗り越えれば、大好きな人と一緒にいることのできる時間は延びるし、そのまま完治することだってある。生命の質をあれこれいうことはできないが、生きていたい、生きていて欲しい、という生命をいたずらに放棄する必要はない。

みんながんばれ!

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