私はブログという電脳世界の片隅に、日々自分の思いを吐露している。自分の思ったこと、考えたことなんて自分の中で完結させてしまえばそれで済むことなのに、電脳社会に発信してしまうという私の動機はよくわからない。でも、人の世には古来、絵があり、歌があり、文章があったということは、人間というものが他者に対して自分の考えを伝えたいという本質的な欲求があったということを示しているのだろうと思う。というかそうすることで人々は生き延びてきたのだろう。
自分の考えを発信している上、私はSNSを通じて他人の考えにも触れている。どこからどこまでがSNSなのかわからないが、今主に利用しているのは、ブログ、Facebook、Twitter、読書メーターなどだ。このうち、FacebookとTwitterをスマホから一旦削除した。アカウントまでは削除していないので、いつでももとどおりにできるのだけど、とにかく少し距離を置くことにした。
ウィキペディアのSNSの解説にもあって驚いたが、うつ状態になるユーザーが少なくないようだ。私も、その一人だったようだった。というのもTwitter(Twitter社はSNSではないと主張しているらしいが、では一体あれはどんな範疇に入るのだろう)で、驚くほど多くの人の意見を読んでいると、今の社会があまりにも閉塞的であることに息が詰まってくる。世界平和・環境が脅かされていること、日本の政治・経済の先行きへの不安などが夜中に急に頭をもたげる。そしてまたそのコメントを読んでしまう。というようなことを繰り返すうち、いつの間にか取り込まれていた。Facebookにしても、知人の活躍を読んでいると、彼我の差に思いとらわれて、これまた暗くなってしまう。
いざ距離を置いてみると、SNSがなくても生きていられるということがわかった。では、ブログで私の思いを世の中に流すのもよせばいいのにということを言われかねないが、それはどうしようもないこと、読まないでいただくしかない。
取捨選択を上手にする