いまさらながら、犬の気持ちが知りたくなって、それらしい本を読んでみた。多くの、犬もしくは猫、それどころか人間以外の動物と関わっている人は、彼らの考えていることを知りたいと思っているに違いない。でも価値観がまったく異なる動物に人間の価値観はほぼ通用しない。そしてそんなことを試みたところで、人間(飼い主)は自分の都合のいいようにしか考えられない。ペットの場合、野生動物とは違い、自分自身で生きていく力は乏しい。でもそれも人間が生物学的に変えてしまったからだ。いまや、世界中の野生動物すら人間が支配している状態だから、アフリカの自然公園が大きな動物園に見えてしまう。世界の漁獲の3分の1が無駄になっているという話を聞くとなんともやるせない。
人間は動物の権利をもっと尊重していくことができるだろうか。
読んだ本の数:6
読んだページ数:1409
ナイス数:63
表題作は星新一の「テレビショー」を彷彿とさせる。ほかには小松左京の「地球になった男」的な話もある。この手の話は筒井康隆が「俗物図鑑」ほかの作品で既に散々試みているので、新鮮味は無い。帯にはいろいろ書いてあって、余計に期待してしまった。これまでの作品を集めただけという感じが否めず、高いお金を払って買ったのにと残念な気持ちになった。
読了日:11月28日 著者:村田沙耶香
源氏姉妹 (新潮文庫)の感想林望の謹訳源氏物語を読んだのが4年前、ずいぶん忘れてしまったからまた読もうかと思っていた時、出会ったのがこの本。あの大作をわずかこのページ数で解説してしまうとはあっ晴れ、酒井順子。できたら、宇治十帖、浮舟と匂宮の物語を濃密に描いていただけると・・・、などと今の世の男はまったく馬鹿な発想しかできません。
読了日:11月18日 著者:酒井 順子
一作目に続けて読んだ。犬が人間と同じような思考回路にあるとは思えないけど、数千年の歴史のうちにお互いを考え合うタイミングというか距離感みたいなのができたのだろうか。寂しくて辛い生き方をしている人ばかり。その人たちの人生に犬が関わるだけで彩りが加わり幸せな気持ちになった。犬は自分だけでは生きていけない。だから飼い主の責任というのはとても大きい。
読了日:11月09日 著者:村上 たかし
たら、れば、が許されたら、お父さんにももう少し別の運命があったかもしれない。でもこの国はそういうことはなくて、お父さんは逝ってしまった。そしてハッピーはいつもそばにいた。犬のこと、もっと大切に、優しくしてあげたいと改めて思った。お父さんに、奥津さんに犬がいてよかった。
読了日:11月08日 著者:村上 たかし
飼い犬と主人の心温まるお話しかと思っていたのだけど、全く違って笑ってしまった。いろいろな人がいろいろな人生を紡ぎながら生きているという話。みんな、というかほとんどの主人公は立派な?大人。なのにみんな手探りで生きている。不安を感じながらも、その時々を楽しく。人生なんてどれも同じようなものかもしれない。
読了日:11月07日 著者:江國 香織
共に生きるとは
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