書き留めておきたい3つのこととして、昨日は”ともに生きる”について書いた。
2つめは”医師は患者のガイドである”。
”医師は患者のガイドである”
ハンドアウトには、
・病気の治療は山登りのようなものである
・医師は患者の山登りのよきガイドでないといけない
・医師は患者とともに歩まなければならない
・ともに生きるところに癒しがある
と書いてあった。
患者さんと直接接する機会の少ない病理医であるが、それは表面的な問題で、私は患者さんの病気そのものに触れていて、やはり医師の一員と自覚している。
病気を克服するというのは難しいことだ。完治を目指すことのできない疾患は少なくない。がんなど、”とってさえしまえば”という考えは間違っていて、その部分の欠損による機能障害が新たに出現する。患者さんにおこるすべてのことを医師は把握するなど、土台無理な話だ。医師はそのことを自覚し、ベッドに縛り付けて患者さんを支配するようなことがあってはならない。
さらに、医師として患者とともに生きるとして
・患者を大切にする「ともに生きる精神」として、
患者の気持ち、立場を考える
医療において、患者の利益を大切にする
患者の悲しみ、喜びの共有
治療に最善をつくす
患者もチームの一員として責任を持ってもらう。
という話もあった。
病気をかかえ、対峙し、生きていくのは患者さんであって、医師ではない。医師の役割は患者さんに生き方の選択肢を提示し、患者さんが希望することが実現できるよう、手助けをすることだ。医師にしかできないこと、というのは診断、治療で、これについては最善を尽くすことはいうまでもない。医療資源の有効利用ということも医師は意識していなくてはいけない。
アフガニスタンで、復興支援のための活動を行なっていた中村晢先生が、銃撃されて亡くなられました。そのご功績に心からの敬意を表するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。
無念