こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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政治家や官僚が使う”丁寧”の意味とは

2021年04月06日 | 日本のこと、世界のこと
 気温は花冷えの9度。先月の中旬から妙に暖かかったが、本来はこれぐらいでのはずなので、花冷えというのもどうか。本来は、などという言葉を使ってしまうこと自体、世の中は常に変化するということを受け入れることのできない旧態然とした自分の思考パターンの裏返しのようで情けないが、これほどの温暖化には多くの人がついていけていないのではないか。なんでも今年は気温の平年値が変更されるそうで、1度上がるところもあるらしい(今年は「平年値」が10年に1度更新される年 年々上昇する気温にみる地球温暖化)。

 さて、連日のように報道される、政治家や官僚の不祥事。一太郎を使わないことにした、なんて間抜けなことを言い出した役所もあるらしいが、いい迷惑なのは一太郎の方だ。上司によるチェックをしっかりやる、なんて、一体どういう意味なのかよくわからない。間違っていたのは法案の文章であって、それって当事者意識が欠如しているとしか言いようがない。こういうことがあると必ず出てくるのが、”国民の皆様に、丁寧な説明をします”という言葉。政治家や官僚の使う、”丁寧”とはどんな意味で使っているのだろうか。

 先月、若い人への寄せ書きに”丁寧な仕事ができるよう心がけてください”と書いた。色々な意味を込めての”丁寧”だったが、一番は”慎重に、慌てず、ミスのないように、そして誠実に”ということで使った。政治家や官僚が使う”丁寧”とはどうもニュアンスが違うのだ。私の使い方が間違っているのだろうか。広辞苑で調べると”丁寧”とは、”注意深く心がゆきとどくこと。また、てあつく礼儀正しいこと。”とあった。私の使い方に間違いはないように思う。そして、てあつく礼儀正しく、はむしろ政治家や官僚の用法に近いだろう。そして、そこには、噓偽りなく、誠実に、とは書かれていなかった。丁寧にの中に誠実を求める私の使い方は間違っているのかもしれない。
 
 そんなわけで、礼儀正しく説明しさえすれば、事実をいくら隠してもとがめられることはないので、政治家や官僚が好んで使うのかもしれない。モリカケ問題も丁寧に事実が隠蔽されたし、総務官僚の接待騒動のことも、丁寧に葬り去られたようだ。言葉というのは大事に扱ってあげないと、本来持つ意味が失われてしまう。”丁寧”なんて、とてもいい言葉がいいように使われて歪んでいくのを見るのはとても残念だ。
丁寧な文章

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