われわれが二層圏のフォーラムをしている間に国会では郵政改革法案が参議院で思いの外多数の反対で否決され、小泉首相が衆議院を解散するという事態に。いろいろな意味で思い出に残るフォーラムとなりました。
今日は、
■郵政法案の否決 の1本です。
【郵政法案の否決】
郵政法案が参議院で賛成108票対反対125票という、意外に差がついた否決となった。
小泉首相はある意味ブラフ(脅し)を掛けていて、実際には解散を避けるのではないかというほんの少しの希望もあったが、全くシナリオ通りの堂々の衆議院解散となった。
参議院での否決で衆議院を解散するというのも、衆議院議員の先生たちにとってはなんとも迷惑な話だが、総理大臣に許された伝家の宝刀であり、一度抜かれれば天地をも切り裂くというところだろう。
衆議院が解散するという事実を踏まえて、マスコミ各社はここへきて郵政民営化が頓挫した事への懸念や、それを残念に思うという有識者の発言を盛んに紙面に載せるようになってきたのが面白い。
それまではマスコミがこぞって「議論が分かりづらい」とか「政府は真実を語っていない」などと言って、竹中大臣などを糾弾していたはずなのに、郵便局が当面今のままで残るということになってから、そのデメリットを盛んに糾弾し始めているように感じられるのは私だけだろうか。
あくまでも私の印象だが、それまでは野党や自民党内の反対派の声を掲載することは多かったものの、法案通過を目指す勢力の側には「恫喝」「強権」「なぜ今郵政民営化か?」などといった、法案通過には賛成しないかのような態度を多くのマスコミが取っていたように感じられてならない。
例えばここ→
実際、政府当局側もまともに説明していないというか、はなから「説明しても分かろうとしないイデオロギーの持ち主」と決めつけてかかっていたようなところもあって、(詳しく説明はしないが、理解して欲しい)という態度か、もしくは「法案が否決された場合は衆議院を解散する」という脅しに近い態度で判断を迫っていたかのように報じられていた。
それが昨日あたりからその態度を翻して、アンケートで小泉首相の支持率が上昇するのを目の当たりにして急に、反対派に改革抵抗派のレッテルを貼り始めたかのようである。
嘘だと思ったら、少し前の新聞を読んでみるがよい。どのマスコミも自民都内の対決の構図をおもしろがって書き立ててはいたものの、ここで郵政民営化法案を否決しようものなら改革を行う明日の日本はない、などというような論調の記事は少ない事に気づくのでは無かろうか。
解散がいやで法案に賛成する小泉首相支持派と、脅しに屈せず主義主張を貫く孤高の反対派という構図で描こうとしてはいなかっただろうか。
ここへきて、自民党本流は反対派のあぶり出しに成功したかのように、攻勢を強めているようだ。
かくいう私も、郵政民営化の必要性については何度新聞を見てもよく分からなかった一人である。
政府が勝手に不採算の事業に郵便貯金のお金を貸し出して不良債権を増大させた財政投融資についてはすでに改革が終わっており、財務省の勝手な判断では出来ないようになっているので、財投の問題は解決済みである。
ときどき思い出したように特定郵便局長が実質世襲の公務員である、というような他人の妬みを喚起するような表現があったりして、一体この議論の本質はどこにあるのか、ということが分かりづらかったのだ。
結局中身の分からない市民は、貼られたレッテルを頼りに投票行動に走るのだろうか。
「改革」という単語はわりと甘い香りがするが、味はどうなのかよく分からない。
逆に改革で一時的に我々の生活が不便になったり、漫然とした安全からは切り離されたとしても中期的にその事の方が後世のためになるということだってあるだろう。
「大善は小悪に似たり、大悪は小善に似たり」という。郵政民営化ということが大善の前の小悪なのか、ただただ改悪なのか、自分だけでなく子々孫々の立場に立って、行動をしたいものだ。
一人一人に十分な判断材料を与えると共に、一人一人が考える事、判断することが求められているのである。
今日は、
■郵政法案の否決 の1本です。
【郵政法案の否決】
郵政法案が参議院で賛成108票対反対125票という、意外に差がついた否決となった。
小泉首相はある意味ブラフ(脅し)を掛けていて、実際には解散を避けるのではないかというほんの少しの希望もあったが、全くシナリオ通りの堂々の衆議院解散となった。
参議院での否決で衆議院を解散するというのも、衆議院議員の先生たちにとってはなんとも迷惑な話だが、総理大臣に許された伝家の宝刀であり、一度抜かれれば天地をも切り裂くというところだろう。
衆議院が解散するという事実を踏まえて、マスコミ各社はここへきて郵政民営化が頓挫した事への懸念や、それを残念に思うという有識者の発言を盛んに紙面に載せるようになってきたのが面白い。
それまではマスコミがこぞって「議論が分かりづらい」とか「政府は真実を語っていない」などと言って、竹中大臣などを糾弾していたはずなのに、郵便局が当面今のままで残るということになってから、そのデメリットを盛んに糾弾し始めているように感じられるのは私だけだろうか。
あくまでも私の印象だが、それまでは野党や自民党内の反対派の声を掲載することは多かったものの、法案通過を目指す勢力の側には「恫喝」「強権」「なぜ今郵政民営化か?」などといった、法案通過には賛成しないかのような態度を多くのマスコミが取っていたように感じられてならない。
例えばここ→
実際、政府当局側もまともに説明していないというか、はなから「説明しても分かろうとしないイデオロギーの持ち主」と決めつけてかかっていたようなところもあって、(詳しく説明はしないが、理解して欲しい)という態度か、もしくは「法案が否決された場合は衆議院を解散する」という脅しに近い態度で判断を迫っていたかのように報じられていた。
それが昨日あたりからその態度を翻して、アンケートで小泉首相の支持率が上昇するのを目の当たりにして急に、反対派に改革抵抗派のレッテルを貼り始めたかのようである。
嘘だと思ったら、少し前の新聞を読んでみるがよい。どのマスコミも自民都内の対決の構図をおもしろがって書き立ててはいたものの、ここで郵政民営化法案を否決しようものなら改革を行う明日の日本はない、などというような論調の記事は少ない事に気づくのでは無かろうか。
解散がいやで法案に賛成する小泉首相支持派と、脅しに屈せず主義主張を貫く孤高の反対派という構図で描こうとしてはいなかっただろうか。
ここへきて、自民党本流は反対派のあぶり出しに成功したかのように、攻勢を強めているようだ。
かくいう私も、郵政民営化の必要性については何度新聞を見てもよく分からなかった一人である。
政府が勝手に不採算の事業に郵便貯金のお金を貸し出して不良債権を増大させた財政投融資についてはすでに改革が終わっており、財務省の勝手な判断では出来ないようになっているので、財投の問題は解決済みである。
ときどき思い出したように特定郵便局長が実質世襲の公務員である、というような他人の妬みを喚起するような表現があったりして、一体この議論の本質はどこにあるのか、ということが分かりづらかったのだ。
結局中身の分からない市民は、貼られたレッテルを頼りに投票行動に走るのだろうか。
「改革」という単語はわりと甘い香りがするが、味はどうなのかよく分からない。
逆に改革で一時的に我々の生活が不便になったり、漫然とした安全からは切り離されたとしても中期的にその事の方が後世のためになるということだってあるだろう。
「大善は小悪に似たり、大悪は小善に似たり」という。郵政民営化ということが大善の前の小悪なのか、ただただ改悪なのか、自分だけでなく子々孫々の立場に立って、行動をしたいものだ。
一人一人に十分な判断材料を与えると共に、一人一人が考える事、判断することが求められているのである。
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