先日、鉄道に詳しい友人と飲んでいていろいろと鉄道の問題を教えてもらいました。
彼曰く、「ディーゼルエンジンの車両ってたくさん走っていますが、実はあれって昔のマニュアル自動車のように変速ギアが使われているんです。そしてその変速機のメンテナンスって実にデリケートな作業で手間と技術者が必要なのですが、その人材を確保するのが今後難しくなっていくと予想されています。
一方、電気でモーターを動かす車両の方はずっと単純でメンテナンスも容易なので、鉄道車両としては電気で動く車両のほうがメリットが大きいと言えるんです」
「なるほど」
「そこで、車両から見ると電気を使う方が良いということになるのですが、一方で電車となると電力を供給するのに架線からパンタグラフで電車に電気を送っています。ところがこの架線とか電線系のメンテナンスをする技術者の確保と育成が今後どんどん難しくなるだろうと言われているんです」
「おお、そこ…ですか」
「ええ、なので架線を経由しないで電車を走らせたいというので今JRが躍起になって開発を急いでいるのが水素で動く電車というわけなんです」
「水素電車!」
「水素で電気を作るとなると、燃料電池が考えられますがさらには水素でエンジンを回して発電するというやり方もあります。電気で走行するようになるとブレーキの際に発電機を回して減速する回生ブレーキが使えてさらに省エネと効率化が進みます。日本の鉄道を守るには技術を単純化して優秀な技術者が少なくても回していけるような社会に移行させないといけないかもしれませんね」
このお話を聞いて、つくづく日本には技術者をもっとたくさん育成させないといけないと思いました。
若者に金融教育を進める動きもありますが、その行く末が現場労働をせずにネットを駆使してお金を儲けるだけの技術に長けた若者を増やすのでは困ります。
これからの世代の人たちには先人が作り上げた社会インフラと財産を守り育てる役回りを感じていただき、それに少しでも参加するような心がけが欲しいと思います。
八潮市の大口径下水道管の損傷でいちやく脚光を浴びた下水道インフラですが、これ以外にも上水道、道路、河川、ダム、電線、通信線など多数のインフラが社会を支えています。
人任せでも外国人労働者頼みでもいけません。
自らが守るという気概を醸成しないと安全安心な社会は望めません。
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