北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

防災と物流の接点

2006-01-18 23:52:40 | Weblog
 今日も日中はだらだらと吹雪模様。今年は雪がとぎれません。

 今日は
■災害非常時の物流体系 です。

【災害非常時の物流体系】
 広域防災関連の検討会に出席をした。

 これは非常災害時に必要となる救援物資の倉庫などを平常時にも仕える施設として考えるとどういう事になるか、という機能的な面から勉強会。

 検討会の中には阪神淡路大震災のときに大阪にいたという物流関係者の方がいた。まさに生々しい話が多くて感心した。

 ある舟運関係者からは「私たちが協力出来たのは、ちょうどドックに入っていたフェリーを提供して岸壁に着けた事でした。船というのは電気も水もとりあえずは自立出来るようになっているので、ガスなどのライフラインの復旧にあたる皆さん達の仮宿泊所として使っていただきました」とのこと。なるほどこれは面白い。確かに船は海上で自立出来るのだがそれが災害時にも機能するというのは面白い事だ。

「もっともちょうどドックに入っていた船でしたから良かったので、他から回して欲しいと言われたら対応出来たかどうか…」まあそれはそうでしょうね。

 別のトラック関係者からは「我々は病院の非常用発電機を運ぶよう依頼を受けましたが、行くときはパトカーの先導でしたからスムースに到着出来たのですが、そこでパトカーはいなくなってしまったものですから、帰りが渋滞に巻き込まれてトラックが帰ってこられないということになりました」ということで、「道路ががれきの山と野次馬の車列で通れなくなるのには困りました」という話があった。

 災害は対応するための想定が難しい事もあるのだが、準備をし続けるのも疲れるし、お金だった馬鹿にならないのだ。

 ほどほどに行って、なおかつ非常時には機能するというシステムはないものだろうか。

    *   *   *   * 

 実は我々は物流ということも所掌しているのだが、今日の日本社会の経済活動は物流機能の発展なくしては考えられないのである。

 いつも安定的にものがある、という状態をどのようなバックアップ体制で維持しているのか、というと昔はメーカーと小売りを問屋さんが仲介していたのである。

 ところがそれらはメーカーと小売りの直接取引が増えた事で現在問屋さんが減少の一途をたどっている。

 しかしながら数多い商品の組み合わせをいちいちメーカーに小口で注文する事も不経済であり、ここに情報技術を組み込みつつ運ぶ業者も相互に相乗りをするという変化を自らに課しながら発展してきたという経緯があるのだ。

 例えば一時に作って多くを保管しているよりは、必要量を適切に製造出来るのならばそれでも店先に商品が並んでいるという意味では同じ事なのだ。

 震災時の被災地の悩みの一つは全国から救援物資が殺到する事で保管場所すらなくなってしまうということで、必要なものと不必要なものが区別出来ないままただただ送られて来るというヒステリックな状況は、現地にとっては決して望ましい事ではないのだ。

 そんな悩みは、被災地に全てを送り込むのではなく救援物資を被災地の周辺でとどめておいて必要な物資の情報をコントロールして的確に配送するシステムがあればよいという事になる。

 もちろん野次馬が道路を塞ぐような事がないような制度整備も必要だろう。そのうえで、最低必要なものを必要としているところへ運ぶために、今日の情報技術を活かす事は出来ないのだろうか。

 実際震災の被災地ではボランティアのバイクがものを運ぶのに一番役に立ったということもあったそうだ。

 防災、物流、情報そしてロジスティックス(物流)。なにか新しい試みが出来そうな単語が並んではいるのだが、もう少し勉強が必要だ…。

コメント
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