いつも見ている「日経ビジネスONLINE」というサイトに、ノンフィクション作家の松浦晋也さんが「介護生活敗戦記」という記事が連載されています。
働き盛りの筆者が、同居する母親の認知症に翻弄された体験の日々を、敢えて"敗戦記"として、赤裸々に語っています。
目の前で進行する母親の認知症を「認めたくない、まさか」という気持ちから、初動の遅れ、あるいは自体認識の甘さ、知識不足などから、事態を悪化させてゆく様子が作家の筆によって生々しく描かれています。
私の両親はまだ健康で存命中であり、幸いなことに認知症にもならずたいした世話もせず今日に至っています。
松浦さんの記事は、読めば読むほど身につまされるもので、もしこのようなことが自分の身に降りかかったら、どうするだろうと深く考えさせられます。
何話か後に出てきますが、認知症が進んだ松浦さんの母親は、通信販売で定期的に買っているものがあって、それが棚の中に山積みになっていたのだそう。
「契約者本人に判断能力があることを前提として成り立つ契約は、本人に判断能力が亡くなった時にどうあるべきか」というようなことは、私たちの社会の目の前の課題と言えそうです。
このような、介護する側に回った人の苦労と苦しみを読むにつけ、介護をしてもらわないような老後を過ごしたいと切に願います。
家の中を片づけたり、様々な契約をわかりやすく整理したり、自分だけが知っていることをちゃんと記録しておくとか、特に健康に気をつけることなど、早いうちからやっておいた方がよいことにも気づかされます。
自分と家族と社会のためにも、自分の身は自分で守りたいものです。
【介護生活敗戦記~「事実を認めない」から始まった私の介護敗戦】
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030300121/030300001/?ST=skill